林木育種・育苗2018第10回
本日のエンジニア科1年生の実習「林木育種・育苗」では,前回の授業で採取させてもらったヒノキ球果の,種子の選別とカウントを行いました。
ヒノキの球果は前回の授業の後で,学内の乾燥室で一ヶ月ほど乾燥させてありました。乾燥すると,マツボックリの様に割れてくるので,少し振ると種子がこぼれて落ちてきます。授業では,たくさんの人手があるので,球果をバラして隙間に残っている種子を徹底的に回収してもらいました。
種子を回収した後は,カウントしていきます。ただし,全ての種子をカウントしていたら日が暮れてしまうため,まずは1000粒重を計測します。各人に100–300個ずつ種を数えてもらい,合算したものの重量を測ります。今回は合計で3500個の種子を数えてもらい,重量を測定してみたところ,7.82 gでした。この数値から,1000粒重は2.23 gだと分かりました。日本の樹木種子(林木育種協会)を見ると,ヒノキ種子の1000粒重は2.2–2.7程度なので,今回採取した種子の値は,低めではありますがレンジ内に収まっています。
採取した種子の合計は65.00 gだったので,種子の推定個数は29,148粒だと分かりました。
ちなみに,乾燥前の球果の生重は611 gだったので,11%の重さの種子が採れたことになります。これも前回の授業で予測していた10分の1という数字にほぼ近い値になることが確認できました。
今回採取した種子は,来年の春の実習で新入生に蒔いてもらうものになります。山の仕事はもちろんのこと,苗づくりも1年では成し遂げられない仕事ですが,学年を超えて受け継いでいくことで一通りの体験をすることができるのが学校の授業の良いところです。次回もお楽しみに。
教員:玉木