木工事例調査「中島工務店」中津川市連携事業
中津川市連携で行われた「木工事例調査」その見学レポート④を学生から報告いたします。
昨年に引き続き2回目の中津川市の木工事例調査となりました。私からは株式会社中島工務店について報告をさせていただきたいと思います。
中島工務店は岐阜県中津川市加子母に本社がある、住宅建築、社寺建築、商業公共建築、土木工事など多岐にわたって大規模に事業をされている企業です。今回は、木造住宅の木部構造材を加工するプレカット工場、木部内装などの加工を行う造作工場、造作に使用する集成材工場、そして社寺建築を行う社寺工場を見学させていただきました。
関西から関東まで広く事業を展開されている住宅建築のプレカット工場は圧巻の大きさでした。大型の工作機械が材の継ぎ手加工や切断などを自動で行います。私たちが以前大工合宿で5日もかけて手で刻んだ「追掛け大栓継ぎ」も数分でできてしまうそうです(笑)。しかしながら驚く事に、これだけ早く正確に加工ができる機械でもできないことはあり、熟練の大工さんが手で加工されることもよくあるそうで、家づくりに対するこだわりや、技術の高さなどを感じました。
造作工場では建物の内装に使われる造作材や造作家具の製造が行われていました。中島工務店で使われている材は県産材の東濃ひのきやスギを使っており、地域の材を積極的に用いてものづくりをされているのがとても印象的でした。
社寺工場では神社、仏閣などの建築、改修などを行われているそうで、構造材の墨付けや刻みを全て手作業で行っており、工場には小さな機械しか置かれておらず、職人さんの手仕事のレベルの高さに感動しました。その工場の二階部分には5分の1や実寸の図面を引く広いスペースがあり、そこで図面を差し金(直角に折れ曲がっている定規)一本で手書きで作図されていることにとても驚きました。
中島工務店さんではどのものづくりでも高いレベルの職人さんがいました。また、地域の材を用いることで地域振興に貢献しており、これからの時代にあるべき姿の企業だと感じました。なぜなら、機械化が進むなかでも、やはり人間にしかできない仕事というのはずっと必要とされる仕事であると思いますし、その地域の材を使うことはサステイナブルな社会の実現に貢献すると思います。
ただ単に物を作るのではない、その先まで考えて物をつくることが大切だと思いました。
最後になりましたが、たくさんの工場、仕事を惜しげもなく見せてくださいました、株式会社中島工務店さんに心から感謝申し上げます。ありがとうございました。
文責 クリエーター科木工専攻2年
寺島壮一