留学生のトビアスさんと苔玉づくり
授業「苗木・挿し木・苔玉のつくり方」では,クリエーター科の森林環境教育分野の学生を対象に,食べることができる果実がなる木の苗作りや,苔玉づくりといった,苗木の増殖や活用に関する技術を学びます。
今回の授業では,苔玉づくりを実践してみました。赤玉土とミズゴケは市販のものを使いましたが,それ以外の材料は学校の近辺で調達しました。
まず,植え込む稚樹を山引きしてきました。できれば数か月前に採取してポットに植えておくと,地下部が充実します。6月の初回の授業時に採取してあったのですが,ここのところの乾燥による水切れでダメージを受けたものが多かったので,少し追加しました。少し日当たりの良い斜面が狙い目です。
用土は赤玉:ミズゴケ:水田の土=2:3:5 で作りました。水田の土はケト土の代用です。土をまとめる時にまとめやすくなります。入れすぎると水はけが悪くなるので,様子を見ながら少し減らしても良いかもしれません。
ミズゴケは混ぜやすくするために細かくハサミで切ります。ドイツからの短期留学生のトビアスさんも一緒に作業に加わりました。
出来た用土で根の周りをくるんで形状を整えた後で,コケを貼ります。コケも学内から調達しました。探そうという目で見ると,少し湿った斜面にけっこう生えていることに気づきます。
コケは手で押し付けた後で,黒の木綿糸をラフに巻きつけて固定します。
完成の様子です。ずいぶん苔玉部分が大きくなりましたね。
完成した苔玉を手に全員で記念撮影。今回は一人3個作ってもらいましたが,材料集めも含めて,簡単に作ることができるのを実感してもらえたことかと思います。卒業後の環境教育のワークショップの場面などで実践してもらいたいです。
また,この授業では,他にも食べることができる果実がなる木の苗づくりということで,広葉樹の挿し木にも挑戦しています。
今年の授業では,ヤマモモ,サンショウ,ナツハゼ,キウイ,マグワ,ツルニンジンといった,学校の近くで手に入りやすい植物の挿し木を試みました。6月に挿したものを確認してみたところ,惨敗のものもありましたが,サンショウとツルニンジンで発根を確認できました。発根はほとんどしてなかったのですが,ナツハゼやヤマモモでは生きている挿し穂が見られたので,これらは再度放置。サンショウとヤマモモの新たな挿し穂を追加しておきました(いずれも雌木を)。林業用種苗の挿し木では,100%に近い発根率が求められますが,今回のような場合では,数撃って当てるというのもありです。
挿し木も苔玉も,とにかく実践するのが一番です。どんどん試してみて下さい。
教員:玉木