2018年度自力建設「森のいちだんらく」竣工式を行いました。
令和元年6月25日に2018年度自力建設「森のいちだんらく」竣工式を執り行いました。
2018年5月に課題発表が行われてから、代表者を決定するプロポーザルコンペ、設計のブラッシュアップ、学生の手による施工を踏まえ、ついに竣工式を迎えることができました。
ここで改めて課題のおさらい
「課題:森の休憩室」
実習や課題研究などで、疲労を和らげたり、眠気を解消する学生は少なくない。
しかし現状寝転がって休憩をとるため場所はなく、本来の用途ではない場所で休息がとられていることもある。
よりよい学生生活を送るとともに、学生の安全管理と校内環境を保つため、疲労回復や眠気解消を目的とした休憩室が望まれる。
リフレッシュ施設として、6期自力建設「桂の湯殿」があるが、ボイラーが故障し使用できない状況にある。
そこで「桂の湯殿」を利用した「休憩室」への改修・増築計画の提案を求める。
以上が2018年度に入学した木造建築学生(全員建築未経験)に出された課題でした。
何度も現場に足を運び、多くの打ち合わせを重ね、自分たちが何をしたいか、周囲の要望は何があるか、土地と周辺環境にはどんなポテンシャルがあるかを考えながらまとめていきました。
改修物件の「桂の湯殿(シャワー室)」の機能は残しつつ、何ができるのか?
「故障したボイラーに代わって太陽熱温水器を日当たりの良い屋根の上に設置しよう。」「団らんの場にしたいから、ボイラーの置いてあったスペースを畳部屋にして、寝転がれるようにしよう。」「室内化するのであれば断熱材はしっかり入れよう。」「水場が欲しいから、シンクを取り付けよう。」「学びの機能を足したいから、床板には色々な樹種を使おう。」・・・など様々な要素を練り込みました。
増築する休憩室では、仮眠をして一段落できる場所にするべく、漫画喫茶・・・もとい自習室を参考にしました。「快適に休むのであればエアコンは必須。」「エアコンを入れるなら断熱材もしっかり入れよう。」「個室にすると独占する学生がいるかもしれないから、間仕切り戸にして、上下を開放させた半個室にしよう。」「仮眠用のリクライニングチェアを置こう。」「外から足が見えて使用感が分かるように、地窓にしよう。」「本棚を置いて、アカデミー学生おすすめの一冊を入れてもらおう。」「外壁は焼杉板がいいな」・・・などこちらも様々な要素を練り込みました。
そうして出来上がったのが「森のいちだんらく」です。
全体の外観はこちら
竣工式に先立ちまして、涌井学長に内覧いただきました。
お褒めの言葉とともに、実際にリクライニングチェアにも座っていただきました。
さて夕方の竣工式ではなんと、50名以上の方々に参加いただけました。
メニューは、朴葉寿司、岐阜の郷土料理である冬瓜汁・・・ならぬ大根汁、川尻さんから頂いたタイを使ったアクアパッツァ。美味しい食事とともに盛り上がりました。
食事作りに協力いただいた皆様ありがとうございます。
森のいちだんらくの内部を少し公開
森のいちだんらくの竣工におきまして、多くの方々にご協力いただきました。
アカデミー関係者、協力会社、メーカーの皆様方、ありがとうございました。
竣工式を終えましたが、休憩室として生まれ変わった「森のいちだんらく」の新たなスタートのタイミングでもあります。多くの学生に使っていただき、より良い学生生活を送ることができればと思います。この度は誠にありがとうございました。
また2019年度の自力建設「Cobiki(簡易製材小屋)」も1年生棟梁 太目さんを中心に着々と進んでおります。
アカデミー関係者の方々には、協力をお願いすることがあるかと思います。
その際はまたよろしくお願いいたします。
森と木のクリエーター科 木造建築専攻2年 代表設計者兼棟梁 牧原一樹