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2020年03月03日(火)

挟土秀平さんによるmorinosの壁塗り体験指導

著名な左官職人である挟土 秀平さんにmorinosの壁塗り体験指導をして頂きました。

挟土 さんは、職人社秀平組の左官職人さん3人とともに、20名ほどの参加者に対し、丁寧に左官コテやコテ板の使い方を指導して下さいました。

最初に森林文化アカデミーの演習林から採取した土壌や、森のようちえんのお子さんたちが栽培収穫した稲わらなどの調整から始まりです。

挟土さんは参加者に、コテ板の上に乗せた壁土をどのようにコテで取り分けるのか、コテ板を持つ手の返し、コテの返しなど、ちょっとした技を指導して下さいました。

全員が一心不乱にコテ返しの練習をするのですが、不慣れな者は壁土を周囲に飛び散らせ、私もその餌食になってしました。

 

最初に縁部分を挟土さんたちの本職が塗り固め、その内側を参加者が順次交代しながら塗っていきます。壁はジェットヒーターで乾かした壁土に塗るよりも、壁土を塗ったばかりの湿った壁に塗り重ねる方が簡単です。

この壁は色の異なる土を、何層も塗り重ねた構造になっています。

この赤い土は、挟土さんの事務所、「秀平組」がある高山市松之木町で産出する土を基本とした壁土です。

初めての壁塗りであるため、一見平らに塗られているように見えますが、職人さんに見てもらうと凹凸だらけだったようです。

肝心要の壁縁は挟土さん自らがコテをふるって修正されていました。

下の写真で挟土さんのコテ上部の壁面と、右側部分の凹凸のある壁面の違いがわかりますか?

何層も塗り固め、本日最後の壁層は秀平組のみなさんのみの作業となりました。

これは素人が塗った壁面をすべて平らに仕上げるためです。私たちが何回も塗らないと完了しない面積を、2~3塗りでみるみる仕上がっていきます。しかも滑らかな壁面が出来上がっていくのです。

私は目の前で、挟土さんのスゴ技を見ることができて、大満足です。

本日までに6層塗り上げました。

壁の仕上げは挟土さんによる技、きれいな模様のようにコテで刻みを入れておられるのです。

美しい模様を描いておられるように見えますが、これは実用的な目的があって作業されているのです。

壁の層は、左から①演習林の山土と森のようちえんの子どもたちが作った藁、②中塗土とスサ、③高山市松之木町の赤い土、④アカデミー演習林の山土と松之木町の土の混合、⑤アカデミーの山土、⑥本庄の土です。

そして本庄の土壁の表面は、挟土さんのコテによる技の痕が見られるのです。これがどうなるのかは4月に報告します。      

morinosは森林文化アカデミーならではの建物です。設計は隈研吾先生の指導を受けて、学生さんと先生が設計、メインの柱は演習林の106年生ヒノキを学生と教職員で伐採・搬出し、内装もアカデミーの先生や職員の協力あってできあがりつつあります。

ちなみに挟土秀平さんは森林文化アカデミーの客員教授でもあります。その挟土さんに、演習林で採取してきた土壌を使って、壁を作成していただくなど、すべてに物語があるのです。

最後にまだまだ壁も作成途中ですが、みなさん5月15日のオープンまでにどのように変化していくのか楽しみにしてください。

以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。