morinos試行『シカの足の剥製をつくろうⅠ』
普段は捨てられる運命である『動物の足(脚)』を剥製にして、標本やアニマルトレッキングなどに利用するための教材づくり、今回はニホンジカ以外に特別にツキノワグマの足標本づくりにも挑戦しました。
講師は高山市在住の田中正至さん。
田中さんは狩猟歴が50年以上あり、高山市美女高原にある射撃場のライフル射場長も務められていますが、なんと言ってもこれまで1000体以上の剥製を作成されています。
今回は本年度作成されたニホンジカやツキノワグマの足標本だけでなく、過去に作成されたイノシシなどの足標本や参加者へのプレゼント毛皮までご持参してくださいました。
講義は現在の狩猟や獣害に関する問題、シカの足の特徴、見分け方など様々お話しされてから標本づくりについての注意点について話されました。
最初にどこにナイフを入れて毛皮を割くのか、刃物を入れる場所はどこなど、少しずつ解説されながら淡々と作業を勧めます。そして骨関節のどこで切るのかなど、見極める場所を説明されました。
特に骨の切断位置は難しいので、参加者に代わって田中さん自らがナイフを入れる場面も多々見られました。
今回の参加者は様々な目的がありますが、「滋賀県で剥製作成のDVDを見てから、自分でも作成してみたかった?」という女性も参加され、なんと参加者の過半数が森林文化アカデミー初参加でした。
今回はシカの足3つとツキノワグマの足1つの標本作成にチャレンジされましたが、シカに比べてツキノワグマは剝皮が厄介でした。
ツキノワグマは内股で歩くためか、親指よりも小指側の方は大きく、毛皮を剥いで取り出すとまるで自分の掌のように見えます。
剝皮が完了したら、続いては「なめし液」づくりをして、続いて洗浄です。
トロ舟に毛皮を入れて、洗剤を入れ、足で踏んで洗濯しています。全員が長靴を履いて、交代で毛皮を踏むと、脂分と毛皮内部の汚れを取ることがことができます。
洗浄が終わったら、「なめし液」に浸漬して、また来週まで一週間待ちます。
最後に田中さんが、次回はどのように形を作るのかを説明され、あっと言う間に夕方となったのです。
さて、次回は来週日曜日に「なめし液」の洗浄と乾燥、縫合、乾燥です。
どのような標本が出来上がるか楽しみです。
以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。