V柱のデザイン(morinos建築秘話1)
morinosの象徴的なデザインとなっているV柱。
見ようによってはWoodのWにも見えます。
その始まりは2018年2月に行った本施設のデザインワークショップ。1週間のデザインWS最終日に建築家・隈研吾さんに来校いただき、学生の計画2案を講評いただき、その場で、学生案をも参考にしながら3番目の計画素案を作り上げていきました。下のスケッチでも緑のサインペンでVの形状が確認できます。
この様子は過去のブログでも報告しています。なんというぜいたくな授業でしょう。
・森林総合教育センター 木造建築ワークショップ スタート
・木造建築デザインワークショップ 計画案プレゼンテーション
・建築家 隈研吾氏と一緒にデザインワークショップ
第3の案を生み出す際に、まず行ったのが、収納や雨仕舞などの裏方で重要な基本機能の整理、次にこの建物の表の顔をつくることです。
隣接する丸太樹状立体トラスで構成された森の情報センターという敷地の文脈を読み取り、丸太のV柱の案が出されました。複雑な丸太組の情報センターに対して、シンプルで直線的な力強い構造で、対の建物としてお互いに強調されます。その場にいた誰もが、それしかないという印象を受けます。
「あのVの字の丸太の建物ね。」と来訪者の印象に強く残る形状によって、この施設のデザインの骨格が決まりました。丸太の骨格に支えられた大きな屋根で活動の場を包み込みます。
このイメージを元に学生と建築として実現可能か組み立てていきます。
今まで見たことが無い構造形態。まずは成立するか簡単な模型で検討していきます。
概ね模型で実現可能性、高さ、構造材の間隔、形態などを検討し終わると、具体的な力の流れを検証するために構造解析に入ります。
ここまで来て、ようやく丸太のV柱が実現可能になりました。来校の際には、V字柱の迫力を体験してください。
准教授 辻充孝