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2021年10月05日(火)

長良川(ながら)んちぼっくす2021 製作レポート④

2021年10月8日(金)~10日(日)の3日間、長良川てしごと町家CASAにて、森林文化アカデミーの授業の一環として木工専攻の学生4名によるお弁当箱展を開催致します。岐阜県産材を使用し、各々が考え制作したお弁当箱です。展示期間中は作品の販売も行います。皆様のご来場をお待ちしております。

4人の学生が製作したお弁当箱はどんな想いで作られたんでしょうか、それぞれにレポートしてもらいました。

 

丸い木のお弁当箱

 

木のお弁当箱を企画する上でアンケート調査をしたところ「木の手触りは素敵で使ってみたいけれど、汁物が漏れるのが心配で、手入れも難しそう」という声が意外に多いことがわかりました。

 

ならば、汁が漏れにくくて、洗いやすいお弁当箱を作ろう。ということで考案したのが、パッキングのついた蓋のある木のお弁当箱。そして「おかずとご飯は別にしたいな」ということで二段重ねにする事にしました。

 

お弁当箱作りはまず、お弁当箱に使えるパッキングを探すことから始まりました。様々なパッキングの取り扱いのあるWEBサイトを探しに探すも、適したものは見つからず。これはダメかな、とあきらめかけたときに発見しました、お弁当箱の替え用パッキングです。

 

このパッキングに合わせてお弁当箱を設計。パッキングを使うためには丸い器状にする必要があり、木工旋盤という機械で加工する事にしました。木工旋盤で作る物は上から見た時の形は丸ですが、横から見たときの形は様々考えられます。まずは試作を繰り返して木工旋盤での作り方とデザインの検討を進めます。

木工旋盤は回転させた木に専用の刃物を当てて削っていきます。木には目印をつけるものの、実際の削り量は手の感覚が頼りなので、削っては定規を当てて確認する事を繰り返します。特に蓋のパッキングと上の器、また上下の器が合わさる部分は、ちょうど良いハマり具合になるように、高い精度で加工する必要があり集中力と神経を使いました。また商品として刃物の跡や傷が残らないように仕上げをすることが大切ですので、そこにも苦労しました。同じものを同じ品質で複数作ることの難しさを実感する機会となりました。

 

 

塗装は学校給食で使われる木の器に使われているウレタン塗料を塗った上に、ガラス塗料で仕上げをしています。食洗機はお使いいただけませんが、洗い物で特別な気を使わずにお使いいただけます。

  

丸い木のお弁当箱、是非お手にとってご覧ください。

皆様のご来場をお待ちしております。

 

岐阜県立森林文化アカデミー 木工専攻2年

渡邉聡夫