「空間を感じる」隈研吾建築(建築見学ツアーin高知)
3泊4日の高知研修。個人的には、初めての四国でとても期待していましたが、高知の予想以上の充実ぶりに大満足でした。今回はそんな高知研修旅行の一部、隈研吾さんの建物群を体感したレポートです。
まず始めにやって来たのは雲の上のホテルです。細い柱と楕円形の屋根が名前の通りフワッとした軽い印象を受けます。標高も高く、第一印象はとても気持ちが良かったです。
中に入ると目を引くのが、天井から吊るされている物体です。竹で編んでできており、中に照明が入っています。竹の素材感が相まって浮遊感がありますが、私は照明をもっとぼんやりとさせた方が、軽く見えるのではないかと思いました。
窓からは水盤が見えます。坂の上に建っているという事もあり、道路が見えず非常に視界が開けています。おそらく後付けなのですが、ガラスの中央に見える窓のサッシが少し邪魔な気がします。それとこの建物は少し前の建物ということもあり、開放型ストーブが置いてありました。環境性能設計の授業で習うのですが、健康面や省エネルギーの視点からは、良くありません。そんなことを話しながら研修は進みます。
2つ目は雲の上のギャラリーです。規則正しく配置されている垂木はきれいに見えます。
窓の外には木の骨組みが見えており、とても面白い景色でした。
外から見ると橋のようになっています。真ん中の柱から広がっていく形をしていて、ガッチリと固めている感じが無く、後ろに見える自然とマッチしているように思います。
3つ目は梼原町役場です。リズミカルな配置の木の外壁は楽しくなります。屋根が薄く、目立たないため、より木の配置が強調されています。
中は木造の大空間になっています。大断面の木材を金物で固めてフレームにしている構造です。木を使ってはいるのですが、鉄骨造のような空間にも感じます。ごつい金物が思い切り見えていて潔さがありますが、木が持つ凛とした迫力や、しなやかな力強さは感じませんでした。床も傷の防止のためだと思いますが、テカリが強く木が活きている建物とは異なるものでした。しかし、柱が少なく大きな空間が、木でできているという点では夢がある場所だなと思いました。
続いて4つ目は、マルシェゆすはらです。茅葺屋根を思わせたり、木の色味に変化をつけたりしている外壁は、インパクトがありつつ、この街に馴染むとても良い表現だと思いました。
室内には、樹木そのままのような、仕上げと頬杖が付いた柱が立っており、写真の右側には大きな鏡があります。この鏡に柱が映り、樹木が並ぶ林内のようにも見え、自然と建物の中間的な建築に感じます。この見え方を自然素材ではなく、木と異素材との組み合わせでみせている所が非常に面白かったです。
本日最後の建築は雲の上の図書館です。この図書館は本の配置が凄く良く、本を読む場所と探す場所が明確に分かれていません。そのため、本に囲まれている感じが好奇心をそそります。
光の入り方や、本や木の見え方がとても気持ち良く、体の力が抜けてしまいます。
今回のブログで紹介したのは研修のほんの一部です。ためになった事をあげるとキリがない位の充実ぶりでした。長文になりましたが、以上で終わります。ありがとうございました。
木造建築専攻学生:松下昌太郎