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2016年03月30日(水)

こんなん咲いてました96

hotokenoza

畑に侵入したホトケノザ

1個1個の花は小さくても、数で圧倒することで目立つことができる。そんな方法で虫を引き寄せ、受粉してもらっている植物は珍しくありません。たとえば春を彩るホトケノザの花たち。休耕田やちょっとした道ばたのスペースにピンク色の花を所狭しと咲かせています。1個体がつける花は少しでも、群生すればまるでピンクの絨毯です。花バチにとってもこれは魅力的に映りそうです。

草と違って樹木はある程度大きくなれば、多くの花をつけることで1個体でも大いに目立つことができます。アカデミー構内に植えられているカツラは秋の黄葉が見事ですが、実は早春にも美しい花を咲かせています。花1個はとても小さく、手の指の爪くらいの大きさ

カツラ♀3

カツラの雌花

しかありません。しかも花には萼(がく)と花弁(花びら)がありません。雄花の場合は葯が、雌花の場合は柱頭(雌しべの先
)が赤色になり、目立ちます。写真の花は雌花です。拡大してみると、なかなかどうして美しいです。このねじれた赤い柱頭の透明感には目を見張るものがあります。こんなに細い柱頭でも、木が全体に花をつければ遠くから見ても人の目を引くわけですね。カツラの開花は早いので、虫はあまり活動していません。カツラはこの長い柱頭を突き出して風に乗って雄花から飛んできた花粉を捕まえているようです。

カツラ♀分解

4本の雌しべ(赤い部分が柱頭)

今年はまさに今が見頃。2012年の開花時期は4月上旬でしたので、今年は2週間ほど早いことになります。山県では早生のサクランボの収穫が例年よりも2週間早かった

そうですから、このフライン

グ気味のカツラの開花も全

 

国的な傾向なのかもしれませ

カツラ♀分解2

真ん中中央の緑色の部分が子房

ん。入学式はまだ先ですが、4月から入学してくる1年生たちにもぜひ見てもらいたい花です。

教員 柳沢 直