清水建設さんによる授業【木工・建築文化論】の実施(2日目)
連携協定を結んでおります清水建設株式会社さんから講師をお招きし、授業「木工・建築文化論」(2日目)を実施しました。
◆「伝統建築物の再生と今後」金久保 仁 氏
清水建設さんが取り組まれている伝統的建築物の再生について、伝統建築物に対する現代の技術や技能についてなど、講義をしていただきました。
伝統建築物の技術や技能の伝承には人との繋がりが重要であることを感じました。
◆「SDGsと生物多様性・グリーンインフラ」小松 裕幸 氏
SDGsの17項目の概要について、SDGsの日本の現状について、企業のSDGsへの取り組み事例紹介など、講義をしていただきました。
SDGs未来都市124のうち、岐阜県内では岐阜県、岐阜市、高山市、美濃加茂市の4つが積極的に取り組んでいます。
清水建設さんは、①レジリエントな社会の実現、②インクルーシブな社会の実現、③サスティナブルな社会の実現、の3つの軸でSDGsに取り組んでいて、日経SDGs(2020年度731社調査)の総合格付け上位39社に入っています。
ベルテルスマン財団による国別のSDGs達成度では日本は18位であり、日本で達成度の低いゴールは、5、13、14、15、17です。特に、生物圏での課題(6,13,14,15)について、世界でも日本でも達成できていません。
その生物圏での課題を解決するために、グリーンインフラによって、生態系サービス(供給サービス、調整サービス、文化的サービス、基盤サービス)を賢く活用していくことが必要です。
SDGsは自分ごととして考えることが重要であるという言葉に、私自身も非常に感銘を受けました。
◆「持続可能な社会づくりに向け、地域課題の解決への寄与」八塩 彰 氏、照井 英利 氏
清水建設さんが取り組まれている持続可能な社会づくり向けた活動について、特に川場村グリーンバリュープログラムについてなど、講義をしていただきました。また、北海道下川町の取り組みや岡山県真庭市の取り組みについても情報提供をしていただきました。
川場村グリーンバリュープログラムでは、森林保全のために間伐の推進、製材による木製品の生産、未利用材の利用などを取り組んでいます。川場村内の森林組合の無理のないチップ生産量を考慮することはもちろんのこと、発電時の廃熱の有効利用も考えた上で、バイオマス発電機械導入の計画を行っています。そのバイオマス発電の電気を協定を結んでいる世田谷区で有効活用したり、廃熱を村内の農業用温室(イチゴの生産)で有効活用したりしています。
地域課題を解決していくために、地域の人々との繋がりが大切に感じました。
いずれの講義においてもキーポイントは「人」や「人との繋がり」であると感じました。課題解決へ向けて自分ごととして考えて、人との繋がりを広げて活動していくことが大切ですね。
教授 小原 勝彦