【どてら】パソコン利用! かんたん木造構造検討
木造建築の新しいかたち(その84)木質構造に関する住育の取り組み
この10年間ほどの建築確認を調査したところ、新設されている木造建築のうち84.5%の建物については構造計算がなされていない状況です。建築実務者の方々に構造計算の入門編に触れていただき、実務で簡単な構造検討程度は実施できるようにしていく必要があると考えています。
実務者のスキルアップをする住育:専門技術者研修「木造建築の構造性能検討ツール演習」を開催しました。この一連の研修はエクセルにて私小原が作成したツールや、無償で提供されているソフトなどを利用して木造建築の構造性能の検討をツールやソフトを実際に利用して演習する研修です。土曜寺子屋「どてら」として、土曜日に開催しています。
第1回は『SWS地盤調査データ処理ツール』について開催しました。
まずは、スウェーデン式サウンディング試験の地盤調査データから手計算でデータ処理の流れを学びます。
次に、『SWS地盤調査データ処理ツール』(エクセル)を利用して、データ処理をします。慣れてくると1時間かからずにデータ入力からデータ処理まででき、①地盤の長期許容応力度、②推定即時沈下量、③推定圧密沈下量、などを把握することが可能になります。
地盤調査はするものの、その結果については地盤調査会社さんの報告書に従うという設計者さんも多いのではないでしょうか。設計者自らが地盤調査データ処理をすることによって、自分で判断することができるようになることが必要です。過不足のない地盤補強や基礎設計へ繋げていただくことで、無駄のない設計・コストに繋がることと思います。
准教授 小原 勝彦