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2017年07月27日(木)

木材開放試験室利用(製材ラーメンの面内せん断試験)

森林文化アカデミーでは、県内外の企業や組織等から依頼されて、木材開放試験室を利用した各種構造試験を実施しています。試験者の御理解・御協力のもと、支障ないものについてはブログにて試験の様子を少しだけお見せしたいと考えております。

今週は「岐阜県木連」さんの「製材ラーメンの面内せん断試験」を実施しました。試験方法は、公益財団法人 日本住宅・木材技術センター「木造ラーメンの評価方法・構造設計の手引き(2016年版)」に準拠しています。

柱および梁の構造部材は岐阜県産ヒノキの製材です。

製材ラーメン

どのように利用されるかといいますと、間口の狭い敷地で1階駐車場などを設ける際に間口方向に壁を設置したくない場合などには有効な工法であると思います。「コの字」の架構で、筋かい耐力壁数枚分の耐力がありますので、製材ラーメンを利用することで同じ耐震性能の建物であっても、見かけの壁を少なくすることが可能です。

あまり詳細なことはここではお話しできませんが、予想していた耐力通りでした。

 

本日は公開試験ということで、岐阜県内はもちろん東京などの遠方からも試験視察者がいらして頂きました。設計者、施工者や木材供給者など多くの方々がこの製材ラーメンに興味をお持ちのようです。

現状では、2.73m~6.00mのスパンで利用できるように技術評定に申請する予定でおります。技術評定の申請が通りますと、日本全国で岐阜県産ヒノキ製材ラーメンが利用しやすくなります。

構造試験を通じて、より良い木造建築になっていくことを期待しています。

 准教授  小原 勝彦