木材開放試験室利用(水平構面の面内せん断試験)
森林文化アカデミーでは、県内外の企業や組織等から依頼されて、木材開放試験室を利用した各種構造試験を実施しています。これまでは守秘義務等の関係から積極的にブログにアップすることはございませんでしたが、試験者の御理解・御協力のもと、支障ないものについてはブログにて試験の様子を少しだけお見せしたいと考えております。
本日は「エコ建築考房」さんの「水平構面の面内せん断試験」を実施しました。「エコ建築考房」さんは住宅系の雑誌などにも取り上げられている会社ですから、御存じの方も多いのではないかと思います。
試験方法は、公益財団法人 日本住宅・木材技術センター「木造軸組工法住宅の許容応力度設計(2017年版)」に準拠しています。
立てかけて試験をしていますので壁のように見えますが、水平構面の屋根の試験です。
端部を見ますと、垂木があるのが分かると思います。
あまり詳細なことはここではお話しできませんが、期待していた耐力はクリアしていました。しかし、この状態からどの程度まで耐力を高めていくか、工夫していく方向性です。
「エコ建築考房」さんは数名の大工さんとともに試験に参加しており、試験をしながら設計側と施工側でより良くする方法について熱心に協議していました。実際の建物で壊れるところを見てしまうのは望ましくはありませんが、試験場で壊れるところを実際のつくり手に見ていただくことはいろいろな工夫に繋がっていきますので、非常にいいことだと考えています。
構造試験を通じて、より良い木造建築になっていくことを期待しています。
准教授 小原 勝彦