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2017年07月07日(金)

木造建築の新しいかたち(その70)木質構造に関する住育の取り組み

実務者のスキルアップをする住育:専門技術者研修「木造建築の許容応力度計算演習」を開催しました。この一連の研修は全10回となっていて、モデルプランに基づいて構造計算を手計算でひととおり実施する研修となっています。仕事帰りに「ひと勉強」ということで、各回18:00~21:00に開催しています。

第3回は『柱軸力の算定』について開催しました。

構造計算に入る前の準備計算で一番重要であり、いくつかある構造計算の壁のうち、最初にして最大の壁となるのが、この『柱軸力の算定』です。『柱軸力の算定』を乗り越えるとこの後の構造計算の壁は何とか乗り越えられると思います。しかし、この『柱軸力の算定』で「構造計算はやっぱり苦手だ!!」と思う人も多いのも事実です。

機械的に考えていけばいい『柱軸力の算定』については、コンピュータが得意とするところでもありますので、実務では自動的に算出されてしまうところです。

この部材には力を負担させずに、こちらの部材には大きな力を負担させるなど、『力の流れ』を考えていると私の場合、楽しくて楽しくて夜も眠られなくなりますし、食事の時間も忘れてしまいます。(明け方までに楽しい小説を読みきちゃうような感じです。)

目には見えない『力の流れ』をコントロールするのが構造計画の醍醐味です。(・・・構造に面白みを感じていただくレベルまで到達してしまえば・・・ですが。)

設計者自らが目には見えない『力の流れ』をコントロールすることによって、より一層安全な木造建築の設計へ繋げてほしいと考えています。

准教授  小原 勝彦