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2017年05月30日(火)

木造建築の新しいかたち(その63)木質構造に関する住育の取り組み

実務者のスキルアップをする住育:専門技術者研修「これからの木造建築構造を考える」を開催しました。この一連の研修は、前半では講師の方に話題提供をしていただいて、後半では参加者の皆さん含めてこれからの木造建築構造についてディスカッションする、研修となっています。

第2回は、『海外における木造建築構造 ~プレカットについて~』というテーマで、私、小原が講師としてお話しさせていただきました。

今年の3月に1週間ほど、アカデミーが協定を結んでいるドイツのロッテンブルク大学へ同僚の辻先生と視察に行ってまいりました。その際に視察したプレカット工場は、日本のシステムと大きく違っていました。その違いを軸にしてお話ししました。

話題提供の前半は、ロッテンブルク大学との連携授業の実施へ向けて、ドイツの交通事情の視察を中心にお話ししました。ドイツでは、公共交通機関が非常に発達していることで歩車分離の考え方が日本よりも明確になっています。

プレカット工場では、3次元CADを普通に利用してプレカット加工図を管理して、5軸のプレカット機械で木材加工し、3次元CADを普通に利用して効率の良い運搬用の梱包図まで管理していました。5軸のプレカット機械では、16mの長尺も容易に加工できるのと、幅3m×長さ16mの長尺パネルも容易に加工できるラインとなっていました。

最後に昨年視察したオーストリア・ウィーンでのプレカット工場も紹介しました。ドイツと同様の考え方でプレカットされていました。ここでは、現在進行中のフィリピンでの飛行場の加工をしていました。

 

 

ドイツやオーストリアと日本との違いはインフラの違いによるものですので、そのまま日本へ導入できるわけではありません。しかし、双方のいいところをそれぞれが組み込むことでより良いものが生まれてくると思います。後半のディスカッションも非常に盛り上がりました。

准教授  小原 勝彦