自力建設2021「木立のこみち」捨コン打ち、基礎打設編
こんにちは。11人いる木造建築専攻1年の1人の田村です。今回でブログの更新も9人目となります。
前回のブログでは基礎工事の最初に行う丁張、根切りまでを話しました。少しおさらいすると普通の基礎工事の手順は丁張→根切りの順番なのですが、今回は根切り→丁張の順に行ってしまいました。その結果ずれた場所に穴を掘ってしまいました。ずれた場所をどう対処したのか?というところで前回のブログは終わりました。さてどうしたのかというと。
掘りなおしました(笑)手順通り作業を行う大切さが身に染みてわかる経験でした。
今回のお話は建物を建てるための基礎の話になります。基礎は建物が直接地面に触れて腐らないようにするため、地震に耐えるため、地盤を安定させるためなど現代の建築においてはなくてはならないものとなっております。基礎打ち全体のおおまかな流れは次のようになっています。
その基礎打ちに切っても切れない関係なのがコンクリートです。コンクリートと鉄筋を駆使して基礎は出来上がります。余談になりますが、コンクリートとモルタルの違いがわかるでしょうか?似ているようで用途と成分が違ってきます。モルタルはセメント、砂、水を混ぜたものに対して、コンクリートはセメント、砂、砂利、水を混ぜたものになります。コンクリートの方が強度があり、基礎や建築躯体に使われます。対してモルタルは接着剤代わりや内装の仕上げなどに使われます。またのちほど出てくるのですがセメント、水だけを混ぜる使い方もあります。
では実際に行ってきた工事を説明していきます。
- 転圧
本来ならば砕石を敷いてから転圧を行うのですが、今回は地盤がしっかりとしているので砕石を敷かず転圧を行いました。転圧はランマーという電動機械をつかってやる場合もあるのですが、今回はタコと呼ばれる転圧道具を作り転圧していきました。
- 捨てコンを流す
捨てコンとは捨てコンクリートの略称のことです。地面に墨付けできるようにするためと水平と高さの基準を出すために基礎のくる場所と外周部分に敷くものです。捨てコンを敷くことで今まで地面が露出していたところにコンクリートが敷かれて地面に直接墨付けをすることができます。また水平面も作ることができるので次に行う配筋と型枠を正確に組むことができます。捨てコンにつかうコンクリートは非常勤講師の田口さん指導の下に自分たちでセメントを混ぜて作りました。
- 配筋・型枠を作る
配筋と型枠の役目とは~
コンクリートは圧縮には強いのですが、曲げる力が加わると簡単にヒビやわれが入って崩れてしまいます。それを防ぐために鉄筋を入れて配筋をすることによって形を保てるようにします。型枠はコンクリートを流し込んだ時に基礎の躯体を形つける重要なものです。また構造的にも影響してくるので正確に作る必要があります。
配筋と型枠作りの工程はプロの職人さんにきてやってもらいました。3人きてやってもらったのですが、阿吽の呼吸で一回目の配筋と型枠作りは半日とかからず終わってしまいました。捨てコンの上に墨付けをして、型枠を留めるためのクリップをうち、墨付けに沿って配筋をして最後に型枠を作るという流れでした。
- ベースコンクリート打設
つぎにコンクリートの打設です。コンクリートの打設は、ベース(底になる部分)打設と立ち上がりと2回に分けて打設していくのが一般的です。今回の場合もベース打設と立ち上がりの2回に分けて打設を行いました。
ベース打設に使うコンクリートは自分たちで練らずに、生コン車を呼びました。しかし今回コンクリートを流し込みたいところまで生コン車は入ることができず、直接流すことはできませんでした。そのためネコと呼ばれる運搬車で生コン車までひたすら往復して運びました。
- レベラーを流す
次にレベラーを基礎天端に流すという工程になります。レベラーとは冒頭に少しでてきたセメントと水を混ぜたセメントペーストの事です。レベラーはかなり水っぽいもので基礎天端に流すと広がっていき水平面をだすことができます。基礎天端に水平面が出ていないと土台、柱を基礎に据え付けたときに垂直、水平がでず歪んだ建物ができてしまいます。
- 立ち上がり基礎の型枠とアンカーボルトの据え付け
ベース基礎を打設してから10日ほどしたら型枠を外して、立ち上がり基礎の型枠とアンカーボルトの据付を行いました。今回も型枠は職人さんに来てもらい作ってもらったのですが、アンカーボルトの設置を少し手伝わせてもらいました。
- 基礎立ち上がり打設とレベラー流し
基礎立ち上がりのコンクリートも自分たちで練って流し込みました。ここまでくるとコンクリートの練り方などはすっかり慣れてきました。基礎立ち上がり天端もベース打設のときと同じようにレベラーを流して水平をとりました。
- ピンコロ石のセッティング
ピンコロ石とはウッドデッキなどを作るときなどに使う小さめの基礎石のことです。今回は基礎がない基礎間の部分に使いました。鋼製束などの代替品もあるのですが、ピンコロ石を使うことでコストを押さえることができました。
以上が今回おこなった基礎打ちの作業内容でした。前回の話の丁張、根切りに続き今回の基礎打ちもコンクリートを練って運ぶ等ハードな肉体労働でした。次はいよいよ建て方になります。無事に建てることができてこれまでの苦労が報われるのでしょうか。それは次回のブログになるのでお楽しみに!
森と木のクリエーター科21期 木造建築専攻1年 田村聡