自力建設2020「建つのか!?」
10月22、23日に今年の自力建設の建て方、上棟式がありました。
毎年、建て方のブログは「建つ」と言い切っているので、僕は含みのある「建つのか」という題名にしました。
実際、建て方を行いながら、「上棟式までに間にあうのか」と思いながら作業していました。
その怒涛の2日間について書いたので、是非読んでください。
10月22日(水曜日)建て方 初日
AM6:00
建て方初日の朝、私は不安と緊張であまり眠れませんでした。
かなり準備不足のまま、建て方も迎えてしまいました。
「接合部はどうやって、繋ぐ予定だっけ?」「的確な指示はできるのかどうか。」
そんな不安を抱えたまま1時間前にはついて、現場の掃除をしていました。
丁張りからお世話になっている、T-PLAN建築工房の田口さんが
「現場には早くきて、掃除をしながら今日の工程を考えている」と教えてくれたので
私も実際に早くきて、どうすればよいか考えていました。
しかし、そもそもの話が準備不足なために、考えれば考えるほどに不安が募ってきました。
そうしているうちに、東濃ひのき製品流通協同組合のユニック車が到着しました。
大工の鈴木さん、鈴村さん、松本さんに来てもらいました。
AM9:00
エンジニア科の人たちもきて、作業を始めました。
まず、新規の増築部分の肝でもある、鉄骨の据え付け作業から行いました。
この鉄骨の上に土台が乗り、その上に柱、梁、屋根となるので、この鉄骨が据え付けられないことには始まりません。
実際、鉄骨がすんなり据え付けられたかというと、まったくもって穴の位置がずれていた!!!
自分が確認したのにも、かかわらず穴が合っていませんでした。はぁ……
すぐさま、田口さんが知り合いの業者さんから穴あけ機を借りてきていただき、穴を開けていただきました。
鉄骨の穴の調整作業をしながら、既存のウッドデッキに新しいACQ材を据え付ける作業をしました。
※ACQ材とは
銅と第4アンモニウム塩を配合した環境に優しい防腐剤を注入した材のことで天然木の腐敗菌、シロアリ、木喰い虫から材木を守り、強い効力もっている。
現在、既存のウッドデッキに据え付けてあり緑っぽいですが、数か月間外気に晒されると茶色になるので、その変化も見てはいかかでしょう。
PM12:00
みんなでお昼
PM13:00
午前中に鉄骨と土台が設置できたので、その上に柱、桁を据え付けていきました。
柱には通し番号が書いてあり、南から見たときに読めるように、通し番号が書いてあります。
柱が据え付けられたら、桁を柱にかけます。柱に桁をかける時に掛矢(かけや)で叩きこんで桁を掛けます。桁の次は、登り梁をかけました。
PM17:00
暗くなり作業終了
一日目の成果
・鉄骨の据え付け
・既存ウッドデッキの土台の据え付け
・柱の据え付け
・桁の据え付け
・登り梁、2本据え付け
一日目で屋根まで終わる予定でしたが、屋根までは貼れませんでした。
自ら率先して動けなかったという悔いが残り、反省の多い一日になりました。
二日目のスタートは7:00集合となり、解散。
二日目 AM6:45
この日も現場には15分前に到着して、掃除をしていました。
「昨日はあんまり動けなく、突っ立ていることが多かったから今日はガンガン動く」
とか考えながら待っていると、7時半前までにはエンジニア科の人たちも集まってくれて時間より作業を早く始めることができました。
このように、ガンガン作業を進めることができました。
7時半から始めたことによって、なんと昼前までには屋根を張る作業を終わらすことができました。
屋根を張る作業は梁の上に登り、屋根の1枚1枚釘とビスで固定していきました。
屋根まで貼れてしまうと建物の形が見えてきて少し安堵しました。
屋根での作業では、インパクトドライバーを使う機会が多かったのですが、まったく上手くならない杉山でした。
田口さんに「杉山くんに見積もり出すときは人工を普段の3倍ぐらいにしないとな笑」
と言われる始末。
朝早くから皆さんが集まってくれたおかげで、かなり工程を進めることができました。
PM13:15
午後からは残りの、屋根にアスファルトルーフィングを張る、既存のウッドデッキと新規のウッドデッキにかかる土台を据え付ける、上棟式の準備と数えれるぐらいの作業量までになりました。
問題なく進めると思っていたのですが、既存と新規のウッドデッキにかかる土台の長さが足りないことに気づき、急遽、材を刻むことになりました。
墨付けと刻みをかなり苦労した僕ですが、鈴木さんに「よしお前、墨付けして刻めよ」と言われてしまったのでやるしかないと思いました。
今年の8月を彷彿とさせる構図……。
ほっと一息ついてると、もう目の前に上棟式が迫ってきて急いで、川床の整理をしてお出迎えする準備。
今回の施主である長沼副学長も来てくださり、無事予定通り上棟式が行うことができました。
木造建築専攻2年生に上棟式のお手伝いをしていただきました。
司会、進行は前・棟梁の太目さんにしていただきました。
4隅に塩、酒、水、米をまきました。
人生初めての祝詞の読み上げ、読み慣れてない漢字多数だったので噛み噛みでした。
上棟式祝詞
掛(か)けまくも畏(かし)こき、多男(たお)き穂負之(ほおいの)大神(おおかみ)、彦(ひこ)さ知之(ちの)大神(おおかみ)、天(あま)の小屋根(こやね)の命(みこと)、宇(う)萱(がや)葺(ふき)きあえずの命(みこと)、各大神(かくおおがみ)の前に畏(かし)こみ畏(かし)こみ~申す~
(以下略
祝詞とは、神道の祭祀において神に対して唱える言葉で、文体・措辞・書式などに固有の特徴を持つ。(Wikipedia参照)
写真をとってくれる2年生の下田さん
施主の長沼副学長、大工の鈴木さん、T-PLAN建築工房 田口さんから講評をいただきました。
鈴木さんからは「杉山君はいやなことから逃げるタイプ」などと辛口なコメントもいただきました。
そんな、僕にでもご指導していただいているお二人にはほんとに感謝しかありませんでした。
無事、上棟式も終わり記念写真をとりました。
協力していただいた方々にほんとにありがとうございます。
このあと直会を行い、来てくれたアカデミー生にお菓子とジュースを配りました。
観に来てくれたアカデミー生、ありがとう!!!
なんと、ナバさんも来てくれて、「建築は自分の頑張りが見えるものに残るのがいいね」とお言葉をいただきました。
これから「蛍の川床」の内装もどんどん変化していくので、楽しみにしておいてください!!
年内中に建具と床を張るぞーーー!!!
建築専攻一年:杉山優真