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2019年08月18日(日)

自立建設2019「Cobiki」”墨付け”しました。

クリエイター科1年木造建築専攻の熊﨑です。
8月8、9日は、自力建設2019の墨付け作業でした。
場所は、白川町の「東濃ひのき製品流通協組」様。
3班に分かれ、それぞれここの大工さん鈴木さん、森下さん、鈴村さんの3人に教えてもらいながら、墨付け作業を行いました。

墨付け集合写真

「墨付け」とは、材木に対して、設計図面通りに刻むための線を書くことです。
私の役割は、柱への墨付けでした。
板柱(横に広い面を持つ柱)4本と、120mm角の通常の柱2本と土台1本に、森下さんの指導の下、2日間で墨付けを行いました。
まずは、設計図面の確認です。
今回加工する建造物にはどのような柱が何本あり、それぞれの寸法、加工方法などをチェック。
続いて、柱の材木の確認です。
図面からは読み取れない寸法や加工方法などは、その図面の作成者に直接確認します。

墨付け作業3

馬と呼ばれる切り台の上に置かれた木材を見た大工さん「末(すえ)と元(もと)がそろっていないなあ。」
材木には末と元があり、立木だった時の上側が末と言い、根元に近い側を元と言います。
昔から逆柱は「家鳴り」など怪奇現象が起こると言われ、縁起の良いものではないと考えられて来ました。
立木は上側が細く密度が低く根元に近い方は太くて密度が高いことから、末を上に、元を下にしないと強度が落ちると考えられていたことから、逆柱は縁起が悪いとされてきたのでしょう。
私には末と元の判断できませんでしたが、大工の森下さんから「この材なら枝の節でもわかる。枝が上向きになっているのがわかるやろ。稀に例外もあるけど、この材はまず大丈夫や。」
板柱は、学校で4本の角材を接着剤により圧着して作成したものでしたが、末と元と混在していたことがわかりました。末と元を全く意識せず加工しているから、当然の結果ですね。
そして墨付け作業です。
生まれて初めての墨付け作業は、大変でした。
墨付けでは「さしがね」(L字型をした両方の辺、長手と短手に目盛りがある定規)が大活躍します。
さしがねを使えば、1点のみ印を付ければ直角に横線が引けます。また、メモリで測定せずともホゾの線が引けるなど使い方により様々な線が効率的に引けます。
こうした線を引く経験の無い私は、まずさしがねの持ち方から使いかたの基本を指導していただきましたが、印と印の間を鉛筆で線を引く時印と線がずれてしまったり、線が薄くて2~3回引いているうちに線が太くなったり、2重線になったり。とにかく、普通に線を引くのがとても難しかったです。

墨付け作業1

墨付け作業をしていると、図面がとても気になるようになります。
CADで図面を書いている時には気づかないのですが、いざ材木に墨付けをしようと図面を見ても、どの図面をみれば良いのかわからなかったり、ホゾなどの寸法の見方がわからなかったり、特に斜めの線は、試行錯誤を繰り返しますが、どのように引けば良いのかわからなくなったり、なかなか線が引けません。
そのうち見かねた大工さんが助言してくださいます。
図面を作成しているときは全く認識していませんでしたが、墨付けにより本当に大切な線や寸法はどれかといった、図面の見方が少しわかるようになったような気がします。

墨付け作業2

墨付けも終わりに近づき時間がもうほとんど無くなってきたとき、まだ2本の柱の上部の墨付けが終わっていませんでした。間に合わないと思われたのでしょう。森下さんが「ちょっと変わって」と私に変わり墨付けを始められ、私が20~30分かかって引いていた線を、あれよあれよと言う間に、ものの5分ほどで引いてしまわれました。
差し金一本で図面を見ることもなく、無駄のない動きでとても効率的に墨付けを行う大工さんはすごいですね。
墨付け2日目のお昼ご飯には、東濃ひのき製品流通協組の大島様特性の美味しいカレーを、ご馳走していただきました。
ご飯は、ガス釜で大量に炊いた銀シャリ。
美味しかったです。ご馳走さまでした。

大島カレー

さて、いよいよ8月19日~23日まで大工合宿です。
大工合宿には木造建築専攻1年生5人に加え、エンジニア科の2年生の男女7人が応援に来てくれます。
白川町内の一軒家「どさない」で生徒全員が寝泊まりしながら、ここの工場で今回墨付けした材木をノコギリやノミを駆使して加工し(「刻み」といわれる工程です。)、最終日には仮組みを行う予定です。
総勢12人による大工合宿を満喫したいと思います。

 

木造建築専攻学生:熊崎