自力建設2019「大工合宿」果たしてCobikiは建ち上がるのか!?
数ある夏の風物詩。海水浴、花火、すいか、高校野球……。それでも最も心躍る夏ワードといえば……そうです、夏合宿ですね。
ここ木造建築にも大工合宿と呼ばれる自力建設における一大イベントがあります。場所は既に墨付けでお邪魔しました、東濃ひのき製品流通共同組合。泊まるところは町営の「どさない」という古民家。
今回はこの大工合宿(8/19-8/23)の様子をご報告します。
木造建築 大工合宿では何をするのか?
これまで自力建設では模型を組みながら設計をブラッシュアップし、必要な材料を集め部材の準備をしてきました。そしてこの合宿ではついに材料を刻み、構造材(柱、梁など)を組み上げてみる(仮組)というところまで進めます。
エンジニア科の若き精鋭7名をパーティーに加え、総勢12名にてこの一週間で一気に仕上げて行きます。
ただ実際の部材を加工するとなると我々では柱一本すらままなりません。ということでこの合宿では、大工さんに指導を仰ぎながら自分たちで切ったり、削ったり、刻んだりを学びながら作っていくわけです。
大工仕事は工夫の連続
わかっていたことではありますが、素人の実践する大工仕事がそうそう上手くいく訳はありません。まず何が難しいって、真っ直ぐに線が引けない、切れない。つまり自分の体が思うように動かないんです。
「性格がねじ曲がっとるから、線も曲がるんやー」と、大工さんからは冗談?が飛び出すも、これはあながち間違っていない気もします。ちょっとでもいい加減な気持ちが心の奥底に生まれたり、逆に慎重になりすぎてビビっていると、それが線に、切り口に如実に現れてくるんです。
ではどうするか。
工夫が随所にあります。当て木をする、道具を長く持つ、短く持つ。右に、左に向きを変える。場所を移動する。言われたら当たり前のことでも、言われるまでは全く気づかない。コロンブスの卵が至る所に散らばっている感じです。
これは丸太にドリルで穴をあける作業。人海戦術で前後左右の曲がりを確認してもらいながら作業をすすめるのだって立派な工夫の一つです。
おそらくこのような方法についても特に解はなく、大工さんも都度、都度、考えながら状況にあったやり方で進めている様子。もっている道具、木の癖、加工する部材の重要性など様々なことを考慮しながら判断していくんだと思います。
腹が減っては戦はできぬ。まずは体作りから
さて泊まり込みってことは、ご飯は自分たちで準備するわけですね。これも大工合宿の目玉作業の一つです。今回全12名の参加者を4つの班に分けて、それぞれの班で夕ご飯から、翌日の朝、昼の準備までしていきます。これが意外と大変。
昼間はもちろん大工仕事がありますから、当番班は作業後に急いで帰って買い出して夕飯の準備。そして朝5時、6時に起床して朝・昼の準備。献立を考え、みんなの食べる量に思いを巡らし。前日のあまりモノも考慮しながら。
ちなみに初日はクリエーター科の同級生が遠路はるばる来てくれて差し入れ・お手伝いしてくれたり(大工仕事まで手伝ってもらってだいぶ作業短縮できました!)、最終日前日は大工さんに食事会を開いて頂いたり、木造専攻の先輩方も駆けつけてくれたり、なんだかんだで毎日美味しい食事をたんまり食べることができました。感謝感謝です!
ついに辿り着いた仮組み作業
さてさて疲れもピークを迎えた大工合宿最終日。
途中「こんなペースでは終わらんで!」と、大工さん達からお尻を叩かれながらも、要所要所で手伝って頂きながら、なんとか前日までに部材の準備は完了。
というわけでついに仮組み作業の開始です。
穴にボルトが入らなかったり、ホゾが噛み合わなかったり、あれだけ苦労して丁寧に、丁寧に刻んだはずなのに、簡単には組み上がりません。刻み直しながら徐々に組み上げていきます。
しかし部材の大きいこと、大きいこと。自分達で刻んでいたのでその大きさは重々承知はしていましたが、柱が立ち上がるごとに「おおぉー」と思わず声が漏れる大きさです。
そしてなんとか組み上がった姿はまさに圧巻の迫力。
仮組みなのですぐに解体したのは名残惜しかったですが、今度はこの姿を実際の建設現場で拝めるように頑張りましょう。
まだ微調整がありますが、なにはともあれ大きな怪我もなく無事に建ちました。引き続きよろしくお願いします。
クリエーター科木造建築専攻一年 下田