自力建設、鋭意進行中!全校生、学長へのプレゼン(自力建設2020)
鋭意進行中の今年度の自力建設。
課題発表からちょうど1カ月後の7月6日。
全校生に向けての途中経過のプレゼンを行いました。
今年度の木造建築専攻の学生は1人。しかもスタートは、コロナの影響で1か月遅れのスタートです。
ですがそこは、アカデミーの結束力。プレゼンに当たっては、エンジニア科林産業コースの学生に模型を手伝っていただきました。
この途中経過の報告では「アイデアを生み出すための場所」というテーマでプレゼンを行い、学生の皆さんから、さまざまなコメントシートをいただきました。
ここに至る過程で様々に検討を繰り返していましたが、当日はテンパっていたのか説明不足の部分もあり、それは考えていたのにという点もちらほら。
これらの意見を受けて、再度計画を練り直す作業を黙々と2週間。
昨日、涌井学長にプレゼンする機会を得ました。
しかし学長からは開口一番「考え方が古い!!・・・」
学生は一瞬固まっていましたが、これは学長の作戦でしょう。一気に学長の言葉に惹きつけられました。
もろもろの説明を受けると大枠の方向性はまずまずの反応です。
計画全般に対してアイデアを生み出すために「対話による化学反応」の考え方は良い。さらに、隣接する個室の位置関係をとらえて、対話の後にこの瞑想できる場所で五感を研ぎ澄ますことでより強固にアイデアも固まるとのこと。この瞑想観を「阿字観」という言葉で話されました。
「阿字観」、初めて聞く言葉でしたが、調べてみると弘法大師空海によって伝えられた密教の瞑想法。学長自身の体験談で説明されると、非常に納得でした。
さて、考え方が古い!ということは・・・
これは、特に上記写真のような四角いテーブルでの対話の様子のことを指していました。
人の認識や境界は卵型のようなパーソナルスペースを持っていて、特に前方に広い。ということは正面に相対すると自分の境界内に侵入された状態で警戒心が強まる。一方、左右はそこまで広くないので隣に座る際にはそこまでの警戒芯が働かないということ。
対話を行うということは、警戒心を解きほぐし議論できるとより有効ということを考えると、四角いテーブルがいいのかどうか。
また、「情」というキーワードも重要であるという示唆もいただきました。
「情」には、情報と情緒の意味が込めらえていて、これからの社会において情報をどのようにコントロールをするか、また人と人、人と自然の情緒的関係も重要になってくるだろうという考えです。
今回の計画をさらに発展させられるヒントをいろいろいただけたので、あとは、学生の頑張りにかかっています。
今月中には、計画をまとめ上げる必要があり、どこまで集中して練り上げられるか、随時報告を行っていきますので、ご期待ください。
准教授 辻充孝