以安寺山を考える
森林文化アカデミーの所在地である美濃市には様々な自然があり、普段から学生、教職員はその恩恵を受けて暮らして居ます。その中でも以安寺山は、標高120mと少し、登り口から比高差40m程度登れば山頂についてしまう小さな山ですが、美濃市街中心部に位置しており、市民にとって最も身近な自然であると言えそうです。しかし現実には多くの人がこの山に親しんでいる訳ではないのだそうです。
森林文化アカデミーはその所在地である美濃市との連携協定の中で、この以安寺山をどのように活用していくのか、林業や森林について幅広く学んでいる学生の感性を頼りに提案するというお題を美濃市からいただきました。連携会議の松井教授から経緯の説明がありました。
そこで本日はアカデミーの授業「コロキウム」の枠を使って、学生60名と教員9名が現地にお邪魔して、提案のための現地視察を行いました。 現地では美濃市産業課の早戸さんにお話を伺ったのち、学生がそれぞれの視点で山の中を歩き回りながら森の状況や雰囲気を確かめていました。中にはこの寒さの中動き回っていた昆虫を発見した学生も。玉木先生によるとカメムシの仲間だそうです。全部で70名ほどのアカデミー関係者が野外で一同に会している様子はある意味圧巻ですね。
そのあとアカデミーに戻り、印象が薄れないうちに提案に必要なアイディアや、今後どうやって提案を煮詰めていくのか、その道筋をワークショップ形式で議論してゆきます。このパートはこういった分野のエキスパート、嵯峨教授のリードで進みます。学生・教員が一緒になって少人数のグループを作り、意見を集約していきます。
短い時間でしたが、最後に各グループで話し合った結果の概要を手短に発表していきます。アグレッシブな意見から、非常に堅実で真面目な意見まで、荒削りですが多様なアイディアが多数披露され、アカデミーの懐の深さを実感しました。また、提案を固めていく中で、市民の声や暮らしを聞く必要があるといった声が多かったのも印象的でした。
これらの議論は来年度も引き継がれます。最終的にいくつかのプランをお見せできる予定です。 ご期待ください。
教員:柳沢直