連携自治体へいく!~キャリアデザイン2~
アカデミーの学生生活は2年間と短いものです
森と木のエンジニア科では基礎的な知識や技術を身につけたら、より専門的な技術を身につける為に2年生では「林業」と「林産業」のコースに分かれて学びを深めます。
2年生になると、コースに分かれたうえで自身の進路についても考えなくてはなりません。
そんな学生の為に、アカデミーが連携協定を結んでいる自治体へ赴き
自治体の紹介を受けつつ地域の「林業」「林産業」に関係する企業を見学させていただきました。
今回は【飛騨市】さんへ日帰りでお邪魔いたしました
まずは『林業振興課の竹田課長』から飛騨市の概要と
現在取り組んでいる「広葉樹のまちづくり」について情報を提供頂きました
普段は主に針葉樹のことを勉強している学生にとって驚きの連続だったようです
つづいて『飛騨市森林組合の中谷さん』から組合の土場と広葉樹の森について現地で説明いただきました。
広葉樹の施業はスイスからフォレスターを招待して2012年から研修を行い、育成木施業を取り入れているとの事でした。希望と同時に、針葉樹と異なり多様な広葉樹の難しさもあることを教えていただきました。
午後は川中ともいわれる土場や製材所の見学先として『西野製材所・柳木材』さんへ伺いました。
西野製材所は広葉樹に特化した珍しい製材所です
製材後の共木での乾燥・原木から製材する強みでもある1mm単位での製材を活かし、購入者でもある作り手への配慮を感じました。このひと手間が信頼と付加価値につながるのでしょう
柳木材さんでは土場に広葉樹が多く並べられていました
通常は山でチップと判断され、チップ工場へ直送されてしまうモノを一度土場に集めることで、人目に触れ利用につなげる為です。曲がりや節も、用途に応じて欲しい人は買ってくれる。小径木と言えども、ある程度の量を集めることで個人作家さんだけでなくメーカーにも使ってもらうことができるそうです
『広葉樹活用コンシェルジュの及川さん』は川下と川上をつなぐ為の取り組みを担っています。広葉樹は地域性や樹種によって異なり難しい反面、針葉樹と異なり規格化され切っていない部分を可能性ととらえ、様々なつながりを生み出しています。
最後に『株式会社 飛騨の森でクマは踊る(通称:ヒダクマ)』の松本代表から川下側のつながりについて
本社にcafé・宿泊・加工の機能を持たせ、川上とエンドユーザーをつなぎたいという想いを体現しています。作るモノから素材を考えるのではなく、材料ありきの家具づくりを「料理」に例えて非常に分かりやすく説明してくれました。エンドユーザーが森に入ることで、新たな価値観を森林資源に持たせてくれる正に付加価値の取り組みに目から鱗でした。
日帰りの1日でしたが非常に濃厚な1日となり、学生にとって多くの学びと刺激となったのではないでしょうか。雨予報であったにもかかわらず視察先では雨に濡れることもなく、これは学生の日頃の心がけが良かった・・・という事にしておきましょう。笑
様々な学生支援もしていただいているので、関心のある人は連携自治体の紹介もご覧ください。
飛騨市の皆さま、貴重な機会を頂き誠にありがとうございました!!
報告:新津裕