チェンソーのガンマークの誤差はどのくらい??【ガイドバー取付方法編】
チェンソーのガンマークご存知でしょうか?伐倒方向を確認するのに用いる機能で、このラインの延長線上に伐倒方向が来るように受け口を作成すれば、狙った方向に木が倒せるというツールです。
このガンマークですが、 ガイドバーの取付方法によりガイドバーの取付角度が変化するため、ガンマークで視準したポイントと伐倒方向に誤差が生じます。実際にガイドバーを持ち上げて取り付けた場合と、持ち上げずに取り付けた場合で違いを計測すると、20インチバーでは先端で15mmほどの違いが生じます。
スチールMS500iの20インチバーで、ガイドバー先端の高さを計測してみました。
チェンソーを置いた机の上面からガイドバー上部までの高さは
ガイドバーを持ち上げずに取り付けた場合 120mm
持ち上げながらクラッチカバーを取り付けた場合 136mm
となります。この16mmの違いが、ガイドバーで目標を視準した際にどの程度伐倒方向の違いにつながるか検討してみました。
(今回は16mmでしたが、ガイドバーや機種によって異なります)
今回はCADのモデリングでシミュレーションしてみました。
モデルの前提条件として、
◆ 伐倒の目標点は15m先
◆ 伐倒木の直径は30cm(伐倒木の受け口の水平伐り中心がチェンソーボディー左端から150mm離れたところ)
◆ ガイドバーを持ち上げて取付しない状態で、ガンマークと伐倒方向が平行
※実際のチェンソーでは、メーカー、機種、ガイドバーによって異なりますので、今回はあくまで仮定のモデルです
◆ガイドバーを持ち上げて取付しない状態で、ガイドバー先端(下端)の水平面からの高さが60mm
としました。
ガイドバーを持ち上げて取付した場合のCADモデルを作成し、誤差を比較すると…
ガイドバーを持ち上げずに取付した場合 ⇒ 左方向に30cmのずれ
(ガンマークでぴたっと15m先の目標を視準した際に伐倒方向は左に30cmずれる)
これは前提条件として伐倒方向と平行にガンマークが来るように設定しているので、当然です。
ガイドバーを持ち上げて取付した場合 ⇒ 右方向に22cmのずれ
(ガンマークでぴたっと15m先の目標を視準した際に伐倒方向は右に22cmずれる)
持ち上げずに取付した場合と比較すると、52cmのずれです。
1mm持ち上げる高さが異なるだけで、15m先では約3~4cmの誤差が生じます。
今回は20インチのガイドバーでのモデルでしたが、ガイドバーの取付如何でガンマークを正確に視準したとしても、50cm程度のずれが生じます(ガイドバーと機種によってその差は異なりますが)。正確に伐倒方向を狙いたい場合は、ガイドバーを毎回しっかり上部に持ち上げて取付した上で、ガンマークを視準しましょう!
杉本