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2017年02月14日(火)

5日間で丸太から椅子を作る!グリーンウッドワーク指導者養成講座

グリーンウッドワーク指導者養成講座の椅子づくり編、今年も実施しました!
まずは見本の椅子をご覧いただきましょう。
この講座のために毎年少しずつデザインを改良してきたものです。
とても美しく、座りやすい椅子になりました。まるで北欧の名作椅子のようです(ちょっと自画自賛しすぎですね)。

 

この美しい椅子を、なんと丸太を割るところから始めて、手作業だけで5日で仕上げるのです!
今回は直径25センチほどのクリを使いました。

クサビを入れて割っていきます。

後脚や背もたれなどのカーブした部分は、木を蒸して曲げています。
今年は蒸し器に薪ストーブを採用しました。これで十分な熱をまかなえます。

40分も蒸せば、型に沿わせてゆっくりと曲げられます。アチチチチ・・・

 

この講座は1月に3日間、2月に2日間実施します。お休みを入れて、その間に接合部分などをよく乾かしておくのです。
こうすることで、組み立てた後も緩まなくなります。
乾燥させた後は、どんどん丸く削っていきます。

手回し式のドリルで穴を開けて・・・

組み立てます。

今回は受講者からのリクエストにお答えして、ペーパーコード(紙紐)による座編みも採り入れました。
このように、グリーンウッドワークの上級テクニックが満載の5日間。6回シリーズの指導者養成講座の最後を飾るアイテムです。
椅子づくりを体験すると、さまざまなグリーンウッドワークの知識や技術が身につきます。

講座の合間のうれしい差し入れ。五平餅は受講者の方から。

そして後脚を蒸すのに使った蒸し器で、ふかし芋です。薪ストーブでの焼き芋と食べ比べました。

 

今回の講座を終えて、9人の修了生が誕生しました。みなさんはこれから全国各地で、グリーンウッドワークの活動を広めていくことになります。
この講座には、先輩の修了生2人もアシスタントとして参加してくれました。地元の奈良県と岐阜県山県市でグリーンウッドワークの活動を始めた人たちです。
そこで、夕食時に2人の活動をスライドで紹介してもらいました。今年度の修了生にとっても、ずいぶん刺激になったようです。

 

講座の後、修了生の間ではさっそくFacebookのグループが立ち上がりました。情報交換、講座の共同開催、道具の貸し借りなど、ここからいろんな広がりが生まれていきそうです。
こんなすばらしい成果を挙げているグリーンウッドワーク指導者養成講座ですが(また自画自賛!)、来年度は1年お休みをいただきます。
「グリーンウッドワークのテキストが欲しい」という修了生からの声を受けて、この1年は本の執筆に専念することにしたためです。
小物から、スプーン、器、椅子の作り方。そしてさまざまな木の見分け方や、刃物の研ぎ方も。指導者養成講座でみなさんにお伝えしてきた内容を、丸ごと本にするつもりです。
森とつながり、暮らしに活かせるグリーンウッドワーク。テキストを通じてもっと多くの人にお届けしたいと思います。

久津輪 雅(木工・准教授)