木の家の骨組みをつくろう!「木造建築概論」
この日は【木造建築概論】という、エンジニア科1年生の授業でした。
林業で山から切ってきた木は、建築と土木で最も多く使われます。
建築では、木をどのように、どのくらいの大きさに切って使っているのでしょうか?
ですがその前に、今回の授業では「そもそも、木造建築ってなに?」というところから始めたいと思います。
まずは森林文化アカデミーのご近所の「うだつの上がる町並み・旧今井家住宅」にお邪魔しました。
旧今井家は築290年の古民家です。古民家は柱、梁、差し鴨居などの架構がそのまま見えているので「木の家」を知ってもらうにはうってつけです。
このように構造材があらわしになっている「真壁」の建物では、材料に節や色むらが無い方が価値があることがよくわかります。みんなきれいな材を使って家を建てたいですから、需要が出るわけです。
次は、向かいにある「美濃のいえ」を見せてもらいました。
「美濃のいえ」も築100年以上で、こちらは今井家とまた違った趣のある、立派な古民家です。
今井家が趣向を凝らした意匠の「数寄屋」なら、「美濃のいえ」は「町家」というところでしょうか。
ここは、森林文化アカデミー卒業生がつくった、古民家再生・調査の「一般社団法人インク」のオフィスでもあります。
こんなところで仕事ができるなんて、なんと優雅なオフィスでしょう。
先輩の安藤くんに挨拶して、二階までじっくり見せてもらいました。
さて、アカデミーに帰ると、図面が配られます。平面図、立面図、伏図、軸組図の計17枚です。
これは一棟の木造住宅の「1/30軸組模型」のための図面です。この図面を元に、模型をつくります。
模型用部材は「製材」してありますが、一棟の家を建てるには、大量の材木が必要です。
必要な本数と長さを図面から拾い出して、「材木置き場」からとってくる必要があります。
また、混ざらないようにどう区別して置くか、という工夫も必要です。
3班に分けて、役割分担をしながら進めていきます。
図面の上に置いたり、柱や梁や足固めなど部材ごとにまとめたり、いろんな工夫が見られましたが、「部材に番付を書く」をという正解に行き着いた班もありました。
日本民家のつくられ方を通して、木造住宅の基本を体験してもらいます。
民家って、理路整然として、綺麗にできてるでしょう?
「そこの長い梁とって〜」「足固めが足りない〜」など部材を声に出しながらつくるので、部材名称も体で覚えましたね。
壁の中に隠れてしまう貫、間柱、筋交いなどの「羽柄材」も一通り入れて、完成。
林業で切り出してきた木が、木造建築の構造材としてどう使われているか、座学でなく体験として理解できたかと思います。
木の家の美しさも伝わったかな?