岐阜農林高校1年生にアカデミーでの野外実習を提供しました
アカデミーでは,主に県内の高校向けに,出前授業やアカデミーでの授業の提供をしています。今回は岐阜農林高校の1年生38名に,アカデミーでの野外実習を提供しました。今回,岐阜農林の先生からは,秋の里山が感じられる樹木の話をしてほしいというリクエストがありました。そこで,アカデミーの学内や演習林を歩いて,20種類以上の植物の今の時期の見どころや生態,形態の特徴,利用方法などについて解説しました。
苗畑の端のザクロには,アケビのつるが絡みついています。日当たりが良いおかげか,ちょうど食べ頃の裂けた果実があったので,学生さんたちに食べてみてもらいました。アケビの果実は,種子のまわりの白い部分が甘くて美味しいです。食べた経験のない人ばかりだったので,皆さん,おそるおそる試していました。感想を聞くと「美味しい」とのこと。アケビの前にナツハゼやコバノガマズミと言った酸っぱいものばかり食べさせていたので,特に美味しく感じられたのかもしれません。
ザクロについても体験してもらいたかったのですが,着いていた果実はまだ割れていなかったので(完熟前),残念ですが味を見てもらうことができませんでした。
製材棟の脇でケヤキの落ち葉を観察しました。ケヤキの葉は大きさの違いの幅が大きいですが,どの大きさの葉でも,特徴的な鋸歯の形から,ケヤキだと見分けることができます。また,種子は枝先の枯れ葉ごと風に吹かれて散布されるため,それも落ちているかなと思い探したのですが,見つけることはできませんでした。
演習林ではクロモジを観察しました。クスノキ科の樹木は樹種により様々ですが,どの樹種も特有の香りがします。クロモジは良い香りの代表格の樹種です。葉をちぎってそのレモンのような匂いを体験してもらいました。
最後に演習林の出口で,やっこさんの体のような葉の形が特徴的なユリノキと,独特な匂いが特徴的なクサギについて解説しました。
今日は雨が少しぱらつくこともあり,どうなることやらと心配させられる天気でした。ですが,そう降られることはなく,無事に2時間の野外実習を終えることができて良かったです。また,事務局市原さんやエンジニア科2年富成さん(岐阜農林の卒業生)には実習を補助してもらいました。この場を借りて御礼申し上げます。
このようにアカデミーでは,県内の高校向けに,出前授業やアカデミーでの授業の提供をしているので,興味のある担当者の方はアカデミーまでご相談下さい。
准教授:玉木