林業事例調査2024(5)植物観察編(2024/7/23早朝)
こんにちは。林業専攻2年の後藤です。今回は事例調査恒例の早朝植物観察の様子をお伝えします。
今回観察を行ったのは、徳島県那賀郡那賀町の那賀川周辺です。3日目の朝5時に有志で集まり、植物観察開始です。
歩き始めて早速、今回のお目当ての一つに出会えました。
「ナカガワノギク」です。ナカガワノギクは徳島県の固有種で、他では見られない珍しい野生菊です。
徳島県立博物館のHPによると、ナカガワノギクは那賀川でも阿南市持井より那賀町長安口ダムまでの限られた範囲にしかなく、川のそばの岩場で、大雨が降ると水に浸かるような場所に生えるそうです。いわゆる「渓流沿い植物(rheophyte)」ですね。
こちらは「トサシモツケ」
最初高知県で見つかったために「土佐」の名が付いていますが、高知県の四万十川や徳島県の那賀川、勝浦川周辺で見られるそうです。
こちらの植物の名前は、「シラン」。名前を教えてもらうときに混乱しそうですが、「紫色の蘭」を指します。
丈夫なランで園芸で植栽されているのはよく見かけますが、自生のシランは珍しいそうです。
他にも、特徴的な植物がいくつか見られました。
こちらは「キシツツジ」
西日本を代表するツツジで、名前のとおり渓谷の岩場や川岸に見られ、水の流れに沿って群生していることが多いそうです。岐阜には分布していません。
こちらは「カワラハンノキ」
「カワラ」とありますが、河原よりも岩がごろごろしているところに生えており、少し増水するとつかるような環境に群生するそうです。
林業事例調査の実習はさまざまな視察地を巡る盛りだくさんの内容で、楽しくもめまぐるしい日々なのですが、この朝の時間は、先生も学生も思い思いに葉っぱを眺め、自由に過ごします。
先生を追いかけるのは大変ですが…。
気になるものがあったら、じっくりと観察します。
わからない植物を見かけては、時間が許すまで図鑑とにらめっこ。
地域や、河原など生えている環境でも植物の種類が変わり、その場所に合った姿になっていることがとても面白いと感じます。
2年生になり、なかなか植物と向き合う時間をとれていなかったので、改めて植物のおもしろさを実感する機会になりました。
葉っぱを見るだけでこんなに楽しい。とっても贅沢な遊びを学ばせてもらっているな~と感じます。自然を楽しむ気持ちを忘れずにいることの大事さを再確認しました。
事業体などの見学レポートも、ぜひご覧ください! (2年 後藤)
(林業専攻教員 津田)