観察し予測する:野生動物捕獲実習
クリエーター科の2年生向けの実習として「野生動物捕獲実習」があります
この実習では、1年生の際に学んだ野生動物を【捕獲】する事を目指した実習です
捕獲対象とするのは基本的に狩猟鳥獣である事・森林への影響を及ぼす獣である事の2点を踏まえた「ニホンジカ」です。
我々の暮らしに特に影響を及ぼさないのであれば問題ありませんが、中山間地域では家庭菜園や庭木をシカが食べに来るという事も珍しい話ではなくなってきました。繁殖力の高いニホンジカは対策が遅れると様々な点で人間の生活に影響を与えます。野生動物との接触で自家用車が事故を起こすという事も、一部の海外や国内でも他人事ではなくなってきています。
1年生の頃は対象を知る事で、どんな場所が生息環境に適しているのか・なぜ人の暮らしに影響を与えてしまうのか・どんな行動をするのか等を理解してもらいましたが、【捕獲】を念頭においた実習では、ここにいた野生動物が何をしているのか?これからどんな動きをするのか?を予測するための観察を行います。
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地域の方から出没の時間帯や被害をヒアリング
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獣が利用しているかを観察
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想像との答え合わせをセンサーカメラで確認
想像通りであればそこに狩猟登録を行っている教員や現地の猟師が罠を設置し捕獲まで待ちます。状況に応じた罠のかけ方や誘因方法を知ることで、様々な場所での応用が利きます。
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小林式誘因捕獲で錯誤捕獲を防ぐ
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確実に誘因が出来たら罠を作動。数日後に捕獲できました
罠の場合、捕獲が人のスケジュール通りに行きませんが、そこも想像しながらの関わり方。捕獲が出来たら解体が待ち受けています。アカデミーの嬉しいところは、肉は自家消費で学生の胃袋へ、皮は鞣しをやりたい学生で引っ張りだこ、骨も骨格標本や料理に使いたい等で廃棄する箇所が非常に少ない事です。
この実習を行うにあたり、地域の猟師さんや郡上に拠点を置く郡上里山株式会社さんには様々なご協力を頂いています。ありがとうございました。
報告:新津裕(YUTA)