森の多様な資源を知る!:森林空間利用実習1
森林の多面的な利用が期待される中、林業の視野を広げる為に新たな実習を開講しました。
今回どんな視点で学生たちが学びを得たのかを活動報告として記録してくれましたので、ぜひご覧ください!
ブログ記事 1日目
こんにちは!林業専攻2年の後藤です。
今回、私たちは郡上市美並町粥川地域に拠点を置く古川林業様に伺い、森林空間の多様な利活用について1泊2日の体験を通して学ばせていただきました。
「森林サービス産業」とは何か?一般的には「木材生産以外での森林の価値創出・収益化を行う」などと言われていますが、「森林の価値」って何?収益化って、本当にできるの?など疑問がいっぱいです。
1日目は森のこと、2日目はまちと森のつながりのこと、とざっくり分け、2日間スタートです。
少し早めに到着した私たちは、実習開始前に「円空の森水」を一口。まろっとしていておいしい…
その後古川林業の専務古川昌樹さんがと合流しました。いよいよスタートです
すると、古川さんからおもむろに「うずうずしてきたので、キノコさがしにいきましょう!」との発声が。いきなり天然キノコさがしがスタートしました。
古川さんと一緒に森を歩くと、普段気にしていなかった「森の資源」がどれだけあるか、驚きの連続です。キノコ一つをとっても、食べられる、食べられないだけでなくにおいや色、生えている場所の環境など、おもしろい話がたくさん。
とにかく古川さんがキノコについて楽しそうに話されるので、みんな宝探し気分で森を歩きます。これがとっても楽しい!
古川さんが関わられている森は、人工林だけでなくキノコが生えるような広葉樹林や地質のユニークさもあり、こういった雰囲気の違う森を持たれている事も森林活用の強みの一つだと感じました。
さらに「森林資源」として、森にかかわる地域で生まれた文化があります。
これに気付かせてくれたのが、古川さんと協力して森林の自転車ツアーをやられているStabiRidesの山本さん。私たちも実際にE-bikeに乗って、古川さんの山を散策させていただきました。
自転車での移動の最大のメリットは、何よりその爽快感!
森の空気をより身近に感じつつ、地域をめぐることができました。また、電動アシストの為上り坂もストレスがありません。
地域巡りの中で、山本さんから、地域の歴史や文化、これまでの人の思いや今現在暮らしている人の様子まで、ただ歩くだけではわからないお話をたくさん聞くことができました。
そして、地域の歴史や文化の背景には、必ずその地域特有の自然があり、それが森へとつながっていきます。
森林資源と聞くと、林業による木材生産を意識しがちですが、それ以外にも森林には活用できるものがたくさんあり、人々が広く入り込んでいける懐の広さを実感することができました。
さらに美並ふるさと館では林業の歴史や粥川の文化を古川さんに解説していただき、とにかく古川家と林業の歴史が同じ流れで語られるのがとても面白かったです。地域の当事者の方に解説をしてもらわないと、こんな面白さには気がつけないかもしれません。
資料館の展示を通して、森林は川や物資、空間を通して地域と一体のものであり、過去には林業というかたちで区分けされるでもなく、人々の生活と地続きであったこと、今もなお森林と地域との関わりは重要なものであることを感じることができました。
森を歩いたり、林業の歴史を知ったりなど、森側を満喫した後は、ヨガインストラクターの田中さんによる森林空間×ヨガの体験。
ヨガも初めてなら、屋外でのヨガ体験も初めてです。振り向くと、山々が目に入る環境でのヨガ、とても気持ちよく、森林×異なる分野とのかけ合わせの面白さと共に、森を見ながら自分の体と自然を感じることができました。
その後もブッシュクラフトのプレイヤーも合流したりと、林業という分野に留まらず、広く森林活用に関心を抱く人たち同士で思いを共有することができました。
【クリエイター科林業専攻1年唐木田君 の感想】
森林サービス産業や地域林業というように、木材生産以外での森林の活用方法や地域づくりと一体で進める森林の経営や運用が探求される昨今において、森林における様々な可能性が再発見されたり、山と地域を結びなおす必要性が再確認されつつあると思います。
1日目の体験を通して、森林資源が持つ奥行きの深さとその活用に向けた実践例に触れることができたのと同時に、そこに自身がどのようにアプローチしていくのか、できるのかという課題を突き付けられたように思いました。森林に昔から変わらずある 価値を現代においてどのように表現し、届けるのか・・・。 クリエーター科という自身が所属する場の意味も考える機会となりました。
以上
普段は木材生産や施業の事を中心に学んでいる林業専攻の学生にとって、新たな林業の可能性とワクワクを感じ・考える機会になれば幸いです
2日目につづく・・・
報告:新津裕(YUTA)