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2024年08月21日(水)

プチ林業事例調査in滋賀(2)滋賀県森林組合東近江事務所さま視察(2024/7/31PM)

ながはま森林マッチングセンターの視察に続きまして、視察1日目午後は、滋賀県森林組合東近江事務所を視察させていただきました。 
こちらのレポートは林業専攻2年の小林が担当します。 

 滋賀県森林組合は、滋賀県の6つの森林組合が2024年度に合併したばかりの森林組合です。
今回の視察では、「元東近江市永源寺森林組合」の広葉樹施業の取り組みを学ばせていただきました。

広葉樹施業現場でお話を伺う様子

現場での視察においては、森林文化アカデミーの第一期卒業生である落部さんに案内していただきました。森林組合の取り組みだけでなく、アカデミー卒業から現在にいたるまでの落部さんの経緯や、森林・林業にたいする想いを深くお伺いすることができました。 

 現場に入る前に話が盛り上がりすぎて、なかなか現場に行けないという現象が度々起こってしまうのですが、今回もそうなってしまいました。ですが、落部さんの森林や環境への影響を意識した林業の在り方の模索や苦悩は、私たち学生にとって、とても貴重なお話でした。ありがとうございました。

広葉樹天然林の更新伐を実施した現場

そして、いよいよ広葉樹天然林の更新伐を実施した現場を見させていただきました。 
こちらの現場では、森林環境保全直接支援事業の中の更新伐の補助金を受けて施業をされています。 

 直接支援事業では、針葉樹人工林にたいして実施することが一般的なので、広葉樹天然林での実施事例は珍しいと思います。こちらの事業を開始したときには、県の担当者も採用実績がなかったので、どうやって設計してモニタリングしていくのか?協議するのに大変苦労されていたようです。 

 更新伐の目的は、上層木を伐採し、林床の稚樹や萌芽の成長を促し、森林の若返り・更新を狙った施業です。滋賀県では、更新伐の条件として上層木の50%以上を伐採することが要件として定められています。 

萌芽更新しているコナラ

林床で更新している稚樹たち

更新伐で上層木を伐採した現場

現場では、1〜2年前に更新伐を実施した現場や、現在進行形で作業をされている現場を見させていただきました。 
林床では、更新している稚樹や萌芽枝を観察できました。この稚樹たちが大きくなって、広葉樹天然林としてどんな姿で再生するのか?今後の成長が楽しみです。 
また、伐った木の活用方法や販売先の確保も大変苦労されており、特に広葉樹は針葉樹と比較して品質や量の安定供給が難しいことをお伺いしました。 

 今回の視察では、理論だけではなく、仕事として広葉樹施業をされている方から貴重なお話をお伺いすることができ、大変勉強になりました。 

ありがとうございました。 (2年 小林)

(林業専攻教員 津田)