祝入学!「雑草って雑草?」〜はじめての森林環境教育体験
アカデミーでどんなことを学ぶんだろう?・・・今年入学された、クリエーター科1年生が、アカデミーの各専攻を知る共通授業「森林から木材、暮らしへ」。2日目は森林環境教育専攻を体験する1日です。
「森と人の再生には、見えないものを知り、伝えることも必要」と、林業と、木を活かす建築とものづくりに並び、開学当時から環境教育のコンセプトはアカデミーに織り込まれていました。「森に関わる産業が続くためには、森林や林業に関する一般の人たちの理解と、それに携わる人が住むまちや地域も大事。そのためにこの専攻がある」という柳澤先生のメッセージで講義がスタート。
現場に行かないとわからない!というわけで、講義室を出て早速フィールドへ出かけました。
植物生態学が専門の柳澤先生のフィールドワークは、発見の連続。道端の雑草といわれるものも、それぞれが個性があり、とても多くのストーリーを持っています。「この雑草はなぜここに生えている?」といったお話を生徒が真剣に聞いていると、本番の授業では、1時間経っても100mも進んでいないこともしばしば!
今日は紹介授業なので、あんなことやこんなことの楽しいお話も控えめにして、美濃市の小倉公園に向かいます。
小中学校の写生はこの時期にする。なぜか?この時期は山に彩りが多い季節だから(柳澤)
道すがら、食べられる植物、木に登る植物、香りがさわやかな植物など、これまで見ていた風景に様々な新しい視点を得ていきます。アカデミーから1.2km、普通に歩けば15分の距離の小倉山公園に、1時間半かけてようやく到着しました。展望台に登り、美濃市を一望。
山と川、そこから川湊を通って「うだつの町」に繋がる美濃のまち。なぜここにうだつの上がる街ができたのか。それには川が作り出す地形と、山と平野の移行帯というロケーション、それに林業や和紙生産といった人々の生業(なりわい)が関係しています。「人の暮らしと自然は結びついている。人は、自然と切り離されては本来生活できない。先人がここに住みつき、住み続けていることには意味と理由がある。我々は自然の中で住んできた先人たちと、人々が作り上げてきた里と暮らしをリスペクトしないといけない。アカデミーで学ぶとき、それを忘れないでほしい」と、柳澤先生の植物からまちにつながるお話しで午前中の前半は終了です。
小倉公園の展望台で360°記念写真
後半は、新米教員の小林と美濃のまちへ。美濃市外はもちろん、岐阜県外から入学するアカデミー生は、そのほとんどが美濃のまちを訪れるのも初めて。まち歩きを楽しんでもらいながら、学生にそれぞれ2枚ずつ写真を撮ってもらうお題を出しました。1枚は「顔に見えるもの」、もう1枚は各チームのテーマ「森」「家」「もの」「環境」に関連した「気になるもの」。
そしてみなさんの作品は こちら!さすがアカデミー生、着眼点も素晴らしいし、みんな個性的です。
美濃でみつけたいい顔!(学生撮影)
学生の作品集もぜひご覧ください。
「自然もまちも、いろいろな見方をできると人生が楽しい。アカデミーはいろいろなことを学べる、知れる。ぜひいろいろな視点を身に着けてほしい」・・・と1年生のみなさんに、教員となって初めてのメッセージを贈らせていただき、2日目の午前の部が終了しました。
アカデミーに戻り、温かい日差しの中、みなさん外で昼食した後、午後は萩原”ナバ”先生、谷口先生といっしょに、夕方まで森の中で過ごすのでした・・・。(続く)
准教授 小林謙一(こばけん)