【授業報告】県内の木材事業者を見学しました
エンジニア科1年生の授業「木材利用の基礎」にて、県内木材事業者の見学を行いました。
木材流通の「川中から川下を見て学ぶ」ことを狙って、製材工場、加工工場、木造建築(住宅&非住宅)をぐるっと回ってきました。
最初の訪問先は、各務原市の「親和木材工業㈱」。
アカデミーの卒業生も活躍している会社です。
まず、同社の古田社長、古田部長より「木材を利用することの意義」について説明をしていただきました。
工場内の広大な選木土場、製材機、大型の乾燥機、薬液注入装置を見学。学生からの質問にも丁寧に対応していただきました。
加工工場内の塗装ロボットやプレカット機も見学。見慣れない機械に学生たちも興味津々です。
オリジナル製品のログハウスも見せてもらいました。
「先生、1棟僕らに買ってください」と学生からねだられました。・・・私の預金通帳を見せつけてやりたいです。笑
続いての見学先は、「交告製材㈱」。
ヒノキの柱材を中心に、様々な製材品を生産しています。
纐纈社長に木取りの方法について講義してもらいました。とてもわかりやすい・・・(私も授業の参考にさせていただきます)。
今回の見学のために社長の息子さん(アカデミーの卒業生)が会社案内を作ってくれたそうです。頭が下がります。
ここでは商品に合わせて、乾燥方法(天然乾燥、中温乾燥、高温乾燥)を使い分けています。
サンプルを用いて、乾燥方法による材色の変化、乾燥割れのメカニズムを説明してくれました。
節の影響についても、丸太をスライスしたわかりやすい教材を用意してくださりました。
私も来年の授業で真似させてもらいます。笑
3件目の見学先は「KAGAMIGAHARA PARK BRIDGE」。飛騨五木㈱が運営する木育施設です。
同社の浅野さん、堀部さんに案内してもらいました。
飛騨五木はこの施設の設計、部材の作製(製材)も自社で行っています。
さて、施設内の大きな梁が集成材でないことに気がついた学生さんもいました(さすがです)。
ほとんどの構造材には飛騨産材の無垢のスギ材が使用されているそうです。
木製遊具もたくさんあります。
大型のものも多く、おとな(両親)も一緒になって遊べそうですね。
・・・学生の皆さん、遊びスギですよ。スギだけに。
「先生、もっとここに居たいです」と何名かの学生に言われました。
私も学生の目線がなければ遊びたいのですが。笑
この日、最後の見学先は、「ひだまりほーむ 鷲見製材㈱」の各務原展示場。
県産の無垢材(県産材使用率98%)にこだわったモデルハウスの見学です。
同社の鷲見営業部長をはじめ(アカデミーの卒業生2名を含む)5名の方に案内していただきました。
卒業生も後輩に熱心に説明していました。
林業コース志望の学生さんも、「川下での木の使われ方を学ぶことで仕事のモチベーションになる」とのこと。
今の住宅では少なくなった和室もしっかり作りこまれています。
「やはり和室は無節材が使われている!」と気がつく学生さんも。
ここでも学生さんからの質問に丁寧に対応していただきました。
一連の見学を終えて、「川中から川下までの木材の使われ方が理解できた!」と言ってくれる学生さんもいました。
エンジニア科では林業コース志望の学生さんが多いのですが、自分たちが伐った木がどのように使われているのか、肌身で感じてもらえれば幸いです。
最後になりますが、ご多忙にも関わらず、今回の見学を受け入れてくれた各社の皆様に、心より感謝いたします。
講師 石原 亘