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2025年02月12日(水)

コミュニケーションワーク

たとえテクノロジーが発展しようとも、人間である以上、コミュニケーションを避けて生きていくことは難しいのではないでしょうか。さらに人間の悩みの9割以上は、対人関係やコミュニケーションに起因しているとも言われています。卒業後、森から始まる持続可能な暮らしを提案していくアカデミー生にとっても非常に重要なテーマです。

徳島県で自然スクールTOECを40年に渡り代表として運営してこられ、アカデミー非常勤講師として開学当初からお世話になっている伊勢達郎さんをお招きしての「コミュニケーションワーク」の授業を2月6日&7日の2日間にわたりエンジニア科全員とクリエーター科の森林環境教育専攻の学生を対象に実施しました。

その時の様子や学びについて、かびごんこと山本佳穂さんがレポートしてくれたので以下にご紹介します。

なんちゃてせんせい 萩原ナバ裕作

 

***以下 山本佳穂さんの報告 ****

達郎さんのワークを受けて2日がたちました。
ワークの中で自分の中の何か大きなものと向き合った感覚が、いまだに残っています。

人の心は複雑だけど、コミュニケーションは案外シンプルなのかもしれないと思いつつ、それでもやっぱり難しい。

この2日間で私が一番印象に残った言葉は、「変えようとしない」です。

例えば、「ゲームをやめたいのにやめられない」という相談に対して、「やめなくてもいいんじゃない?」という言葉をかけるとします。

優しく聞こえる言葉だけど、これは相手の気持ちを変えようとしている言葉です。実際に言われてみると、「やめられなくて苦しい」という思いが宙に浮いたまま、無視されている気持ちになりました。

やめなくてもいいと伝えた側が、できるだけ苦しさを少なくしてあげたいと本気で思っていたとしても、受け取ってくれなかったと感じてしまうのは同じなのかなと思います。

現代社会には、人を変えようとする事柄が溢れています。そして多くの人は、そんな場面に日常的に遭遇しています。

だから無意識に、自分も相手を変えようとしたり、変わるきっかけを与えようとしてしまう。変えてあげることが良いことだとまで無意識に思ってしまっている、ということでした。

 

「認知の転換には情動が伴う。知的なことはこれを代行しない。」

心が動いて初めて気づきがある。外から分析して言われても、変化することはない。(意訳)

この話を聞いて、私もつい先日同じ体験をしたことを思い出しました。

同期に向かって、自分の持っていた思いを伝えました。「あなたは全く悪くないけど、一緒にいると苦しい。」

油断したら泣きそうなぐらい、自分としては意を決して伝えた言葉でした。

真剣に聞いてくれて受け止めてくれて、彼女なりの思いを返してくれました。何と返事をもらったかはあまり覚えていませんが、自分の心が動いた瞬間でした。そしてこれをきっかけに、これからも前向きに関わっていきたいと思えるようになった気がします。

今まで周りの人から何と言われても、自分の苦しい気持ちが消えることは無かったけど、あの少しの会話だけで私の認識や気持ちは大きく変わりました。

変えようとするのではなく、受け止める。実体験と今回のワークから、大切さを実感しました。

達郎さんのワークの中では、他にも書ききれないほど本当に沢山のことを学びました。これから教育に関わりながら生きていきたい私にとっては、達郎さんが話す言葉やまとう空気まで全てが学びでした。

そして人の心と自分に向き合う2日間。そんな時間を、あと1年一緒に頑張るみんなと過ごせて本当によかったなと思います。聴いてくれて受け止めてくれてありがとう。みんな大好きだよーー!!!

そんな素敵な時間と空間を提供してくださった達郎さん。遠路はるばる徳島から(しかもすさまじい寒波の中)ご足労頂き、貴重な体験をさせて頂きまして、本当に本当にありがとうございました!!!!!

 

2025.2.9 山本佳穂(かびごん)