キャンプカウンセラー実習 おかげさまで今年も無事終了!
森林環境教育の実習の目玉の一つとして、夏と冬に小学生を対象としたキャンプの企画と運営をする「キャンプカウンセラー実習」という授業があります。キャンプ自体の企画から始まり、広報、準備、そしてともにキャンプを運営するエンジニア科の学生たち(エンジニア科の選択授業でも「キャンプカウンセラー実習」があります。)を取りまとめるリーダーとして活動し、キャンプ当日は、カウンセラー(リーダー)や、全体を取りまとめるディレクターとして実践する超リアルな授業です。
子どもたちとじっくり対峙することも、キャンプを運営する仲間たちを取りまとめるのも、全く初めてという学生も少なくありません。だから非常に大きなチャレンジとなります。でもそれなりに実りは多く、1年生、2年生と回を重ねるごとに、見違えるように成長していくのです。卒業した学生たちも振り返ってみてもあの経験は大きかったと口を揃えたかのようにコメントするほど。それもそのはず、子どもたちと向き合ったり、仲間と何かを一緒に作り上げていくには、自分自身ともじっくりと向き合わないといけないので、それはそれは大きな課題となるわけです。
ちなみにこの実習、morinosとの連携事業として展開しています。morinosというナマの現場が学内にあるという点もまた森林環境教育を専攻する学生にとってはとても贅沢な学びの環境だなぁといつも改めて感じています。
そんなキャンプの様子をmorinosのHPにアップしたので、ここにもシェアさせていただきます。
<以下morinosの報告より>
毎年恒例の冬のもりもりキャンプ、今年も2本、合計90名の子どもたちが集い、2泊3日を
思い思いに過ごしていきました。小学生、中学生、アカデミー生、そしてキッチンを手伝いに
来てくれる地域のボランティアの大人たちが過ごす空間は、まるで、森の隣に1つの村が
生まれたようでした。
もりもりキャンプには決まったスケジュールはありません。ご飯が朝昼晩ある以外は、
何をやりたいか、どこで寝るか、どんなふうに過ごすか、全てこどもたちが自分の責任で決めて
行動します。
もちろん全員が集まって話し合いをしたり、歌を歌ったり、ご飯を食べたりする時間もありますが
それ以外は子どもたちは自由に過ごします。
何かを夢中になって作る子どももいれば、森に出かけて冬イチゴ狩りをする子ども、料理をする子ども、
1日中鬼ごっこやドッチボールをする子ども、ただただのんびり過ごす子ども、お兄ちゃんお姉ちゃんに
お世話してもらう子ども、などなど、過ごし方は多種多様です。
実習として関わるアカデミーの学生は、2泊3日の間、普段あまり接点のない子どもたちにしっかりと
向き合い、遊びを応援したり、甘えられたり、生活のお世話をしたりする中で、それぞれに学びを得て
いきます。学生いわく、日常生活の中で自分が誰かに頼られるという体験はあまりないようです。
でもここではそれが当たり前。そうした体験を通して、自己肯定感を高めていくことにもつながって
いるようです。
子どもも大人も関係なく、お互いが2泊3日を共に過ごすことで、学びあい、成長し合っていました。
子ども時代の自由な遊びや、遊びを創り出す、空間を創り出すという経験は、将来、自分たちの理想的
な社会を仲間とともに創り出していく際に必要な力を養っていると言われています。
森の隣の空間で、もりもりキャンプをきっかけに偶然子どもたちが集い、やがて家族のようになり、
笑いあいながら、2泊3日の間、村のような空間をみんなで創り上げていくというもりもりキャンプ
での経験は、確実に子どもたちの血や肉となり、将来、森を舞台に自分たちの理想的な社会を築いて
いくことでしょう。
森林の「人づくり」空間としての可能性を感じた2泊3日でした。
2泊3日x2本、キャンプを支えてくださったみなさま、本当にありがとうございました。
なんちゃって先生 萩原ナバ裕作