2019年11月22日(金)
自分の興味を研究発表しよう!「木材利用総合演習」発表会
今年も開催されました「木材利用総合演習」発表会!
エンジニア科2年生林産業コースの目玉授業であるこのカリキュラムは、自分の興味のある木に関することをなんでも自由に研究して、発表するというもので、「論理的な考察力」と「人に説明する力」を身につけることを目的としています。
建築教員がマンツーマンで研究・発表をサポートするので、教員側にもたくさんのアイディアとリソースが必要になります。様々な木材利用方法に詳しい吉野教授ならではの授業です。
この日は、いよいよ研究成果の発表会。一年生全員と長野林大の学生、一部のクリエーター科学生が聴衆です。
写真多めでレポートします!
(2018年度発表会のレポート https://www.forest.ac.jp/academy-archives/mrse2018/ )
(2017年度発表会のレポート https://www.forest.ac.jp/academy-archives/en-research2017/ )
木材利用「木づかい・木くばり」が専門の吉野教授の挨拶で、発表会が始まりました。
トップバッターは水野響くん「竹スピーカーの制作」。竹を加工して、iPhoneを差し込み音楽を鳴らした時、の音量・音質がどう変わるのか、形状による違いを比較しました。
各発表の後には会場からの質疑の時間がとられます。今年も学生さんからたくさんの質問が飛び交いました。
続いては手塚優樹さん「カンナ屑で靴の消臭はできるか」。カンナ屑を靴に入れて、臭いセンサーのついた機器で計測。様々な結果から、カンナの表面積に消臭の鍵があると考察しました。
「木でおいしいプランクBBQ」は中村瑠偉くんです。板の上で食材を蒸し焼きにすることで食材の味を引き出すことができる「プランクBBQ」。日本では認知度の低い調理方法の研究です。
美味しそうな写真に会場も興奮。
長野林大の学生さんも質問してくれました。
ポスターも展示されています。各自の研究をまとめたもので、自分のやったことをポスターにまとめるスキルも身につけます。
こちらは研究成果の実物展示。辻先生が寝ていますが、果たしてこれは何でしょうか?記事の最後に明らかになります。
休憩の後は第二部。手塚結和さん「木陰の涼しさを調べる」。真夏の木陰は、他の影と比べて涼しく感じるのはなぜか?放射熱を測るグローブ温度計やサーモカメラを使って研究しました。
「長期間の平均値があれば、もっとよかったかなと思いました」となかなか的を得た意見が。
古田康人くんは「スウェーデントーチの研究」です。丸太に切り込みを入れて燃やすスウェーデントーチ。高校の時に燃やしてオシャレだったので、今回は含水率や燃焼率を調べました。
「何をしても燃えない丸太があったので困りました」と古田くん。……それは不燃木材の大発見なのでは……?
アカデミー学生ラストは古瀬咲奈さんの「たわみを応用したマットレス」の発表です。布団の下に敷くすのこ状のマットレスをつくり、何と板をマジックテープで入れ替え可能に。ヒノキと杉のたわみにくさの差を利用して、腰と頭の部分に硬い木を置く、個人差で位置を調節できるなど、工夫に満ちた発表でした。
長野林大の学生さんからも「オーストリア研修報告」がありました。
会場は終始、真剣な眼差しと知的な興奮に包まれました。
途中で吉野教授からも鋭い質問がありました。「いろんな樹種で試していたけど、他にも試してみたい広葉樹はある?」「もう少しこの表を説明してみて」など、質疑への対応も評価されます。
盛況のうちに閉会した「木材利用総合演習」でした。
2年生のみなさん、お疲れさまでした。興味あることが掘り下げられていく感覚、人に説明し質問に答えて理解してもらう感覚をしっかり味わうことができたと思います。
「これで終わらずに、いつでもアンテナを高く張って、いろんなものに意識を持って欲しい」という吉野先生の言葉で幕を閉じた発表会でした。
聞いていたエンジニア科の一年生、来年は君たちの番です。アンテナを高く張りましょう!
レポート:建築教員 松井匠