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2017年10月30日(月)

林の蓄積量はどれくらい? エンジニア科1年生「測樹」

エンジニア科1年生の実習「測樹」では、林分調査を行い、資源の蓄積量、現在の森林の状態などを考察します。

今回は、アカデミー演習林内の48年生のヒノキの林分を対象に調査を行いました。この林分は引き続き、「間伐の選木技術」という授業で使っていくことになります。

まずは班ごとに調査プロットを林分の中に設置します。10×20メートルの長方形の調査プロット(面積200平方メートル)を作るように指示。

測量風景

三脚を立てての測量。斜距離を測ります。

この前に伊佐治先生に教わったばかりの測量の技術が活かされるはず。アナログのポケットコンパスを用いて、先日習ったことがちゃんと理解できているかも復習します。水平距離が決められているので、斜度から必要な斜距離を計算。三角関数を用いた計算がこんがらがってしまった学生もいたようですが、各班ともなんとか、設置完了。

プロットを設置した後は毎木調査を行っていきます。プロット内の全ての立木の胸高直径を輪尺(りんじゃく)という巨大なノギスで測っていきます。聞き漏らし、聞き間違いなどにより誤記が出ないよう、各班ともに復唱を徹底。

毎木調査風景

胸高直径を測っていきます

胸高直径を測り終えた後に、それぞれの直径ごと(胸高直径は2センチ刻みで測っています)に立木を選び、樹高を測定。樹高の測定機器は色々なものがありますが、ここは現在主流となっているデジタルの超音波樹高測定器を用いました。

これらの調査で得たデータは後日解析を行いました。エクセルで計算すると簡単にできますが、どういう手順で計算しているか理解するためにまずは手計算で樹高、材積、立木密度などを一通り出します。その後エクセルを用いた計算を行いました。樹高を得るための樹高曲線の書き方の違いや、計算途中での四捨五入などにより、手計算とエクセルでの最終的な数値に若干のずれが見られましたが、ほとんど問題ありませんでした。最終的にこのヒノキ林分は平均樹高約16メートル、1ヘクタールあたりの立木本数は1663本、材積は457立米となりました。そのほかにも林分の混み合い度を表す収量比数、相対間距比などを計算したところ、やや混み合っているということが判明しました。

最後に調査方法、データ解析、調査器具に関連する基本的な理論を理解しているかどうか確認するため試験を行いました。少し不安が残る学生もいましたが、なんとか授業も終了。お疲れ様でした。(津田)