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2022年08月31日(水)

プチ建築、やってみよう! (「木造建築入門」 1・2日目)

「木材の使われかた」をイメージできれば、一番最適なやり方で木を伐って出すことができるでしょう。
演習林の木から建てられた自力建設は、そのためにうってつけのお手本です。
エンジニア科1年生の「木造建築入門」1・2日目は、「木造建築ってなに?」を、自力建設を模型で再現しながら学びます。

今回のお題はこれ。
「里山獣肉学舎」はシンプルな印象ですが、日本の木造建築の建て方=軸組工法のエッセンスが詰まった建築です。

「どうやって建てられているか」を知るには、まず建築を組み立てるパーツ=部材の名前を知る必要があります。
松井匠先生がひとつずつ解説する部材の名前と役割を、手元にメモメモ。

教室に帰って、外では教えきれない建築のアレコレをもっと詳しく学びながら図面の読みかたも学びます。
読み方がわかれば、設計者が引いた図面の通りの建物をどこでも・誰でも作ることができます。
建築にかかわる「寸法」も習います。
「寸、尺って?」「ひと坪ってどれぐらい?」「インチ…?」

模型作りに必要な「縮尺」まで分かったら、あとは模型をつくるだけ。

安全第一!
小型に見えても電動工具。テーブルソーは特に注意が必要です。

安全指導が終わったら、模型づくりがいよいよスタート!。
図面を見ながらバルサ材から、カッターナイフで部材を切り出していきます。

部材に書かれた「へ一」「へ5」は、その部材が立つ場所。
ひらがなと数字で座標を表す、日本の大工の知恵です。

パーツが揃ってきたら、組み上げ=「建て方」へ。
図面を確認しながら、ゆがまないよう建てていきます。



指揮役を設けたり、全員の協業だったり、現場に一任だったり……と、班によって個性もさまざま。
実際の現場では現場監督・棟梁を軸に建物を作っていきますが、ここでは「正解」はありません。
指揮役がいる班は精度が高く仕上がっていましたが、一番早く仕上げたのは協業で取り組んだ班でした。面白いところですね。


決死の微調整。
1か所が少し違うだけで、色んなところで合わなくなってきます。
部材としては良く見えても、組み立てると「何かおかしい」と気づくことがあります。
「この部材、寸法ちがう!!」と現場からクレームが上がるのもリアルですね。
「少し違う」をテキトーに修正すると、他のところで嚙み合わなくなる……丁寧な作業でピッタリ合わせるのが醍醐味です。


最終チェック。


記念撮影、ベストアングルを探してる。

 

 

今回取り組んだ、エンジニア科1年生の5班です。おつかれさまでした!

木造建築教員:上田麟太郎