文章表現の技術2018|作文開始
クリエーター科1年生の授業には,文章を書いたり,プレゼンテーションの技術を磨くといった,自己表現に関する実習がいくつかあります。今回ご紹介する「文章表現の技術」もその一つで,分かりやすい文章の作成方法を身につけるための技術について学びます。クリエーター科の学生にとって,文章を作成する機会は,在学中にはレポートや課題研究など,卒業後には申請書の作成や自己PRの記事作成など,たくさんあります。
文章作成の技術や経験は人それぞれです。これまでに文章を書く機会が多かった人もいれば,書く機会がほとんどなかった人もいると思います。文章なんて今更…と思う人もいるかもしれませんが,少しのコツを意識するだけで,ぐっと分かりやすいものにすることができます。
この授業では,まず初回に,文章の作成のコツについて講義をします。具体的には,どういう状況だとわかりにくいのかということや,言葉の順番によっては文意が複数に取れてしまうということや,長い文を短くするためにはどうすればよいのかということなどです。また,体裁に関することや,Wordの使い方についても講義を行います。これらを理解した上で,2回目からは文章を書いていきます。
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頭を悩ませながら文章作成を進めるクリエータ科1年の森泉さん
本日の授業は第2回目になります。まず1コマ目にパソコンで文章を書いてもらいました。テーマはこちらでもいくつか用意しますが,書きたいものや皆で共有したいことがあれば,それで構いません。人それぞれです。ただし,1コマという時間の中で書き上げることができるように,プロットを考えてきたり,途中まで書いてきたりしてもらっています。
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添削中のクリエーター科1年の児玉さん。悩んでいそうです
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添削中のクリエーター科1年末光さん。赤ペンが走っています?
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添削するクリエーター科1年の庄司さん。真剣に書き込み中
2コマ目は,作成した文章を3部印刷・交換し,相互添削します。このときに注意するポイントは初回の授業で説明したものになります。私がこの授業の中で最も大事にしたいのがこのプロセスになります。人の書いた文章を読み,修正することで,客観的に文章を見る目を養うことができるからです。
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Wordの校閲機能を使って推敲する方法を紹介しました
最後に,人からのコメントを参考にして自分の文章を修正します。自分で書いた文章でも,時間を置いてから見ると,様々な修正点が見えてきます。このとき,Wordの校閲機能を使っての修正方法を紹介しました。課題研究の論文を書く際に,どこを修正して改訂版を作成したのかを校閲機能で明示しておけば,指導教員とのやりとりも円滑なものになります。最終版を印刷・提出して本日の授業は終了です。
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17名分の添削には時間がかかりました…
そして,ここからが授業の担当教員である私の仕事になります(もちろん,文章を書いているときや,添削しているときにも指導はしています…)。全ての文章を一字一句読み,コメントを書き込んで返却します。返却時に全員のものをコピーして返却するので,学生は自分がコメントした他人の文章がどう修正されたのかについても知ることができます。今年は特に履修者が多いので(なんと17名!),その点はありがたいのですが,授業後の作業に手間がかかりすぎてしまうのが難点です。人が一生懸命書いたものを修正するためには,こちらも一生懸命読み込んで,何が言いたいのかを理解する必要があるからです。
「文章表現の技術」では,このように授業を進めています。昨年の授業後のアンケートでは,作文をお互いに読み合うことを通して,お互いのコミュニケーションも図れる点が良いとの意見がありました。予期せぬ反応でしたが,そんなことも頭に入れて,楽しみつつ残りの2回の授業を受けてもらえれば良いと思います。
教員|玉木