皇室行事を支える卒業生
森林文化アカデミー卒業生の鬼頭伸一さんが、皇室行事を紹介する本に活動が掲載されたと報告に来てくれました。
鬼頭さんは2009年に入学して長良川鵜飼の鵜籠づくりの技術継承に取り組み、卒業後は美濃市内でNPO法人グリーンウッドワーク協会・竹部会として鵜籠の生産や竹細工教室の運営に携わっています。アカデミーの竹林整備や竹細工の授業でもお世話になっています。
(これまでの経緯はこちらの記事からも)
持参してくれたのは『御料鵜飼』という豪華装丁本で、実は非売品。一般社団法人霞会館が出版したものです。霞会館とは旧華族の親睦団体で、皇室や日本の伝統文化に関わる調査研究を行なっています。
御料鵜飼は、岐阜市と関市の9人の鵜匠たちが年に8回行う特別な鵜飼のこと。その日獲られた鮎を皇室に献上するのです。そのため全国各地に残る鵜飼のうち、長良川の鵜匠だけが宮内庁式部職という役職に任命されています。この鵜飼に欠かせない鵜籠づくりを、森林文化アカデミーのOB・OGである鬼頭伸一さんと安藤千寿香さんの2人が担っているのです。
この本もおそらく皇室に献上され、天皇陛下はじめ皇室の方々がご覧になるのだと思いますが、日本の大切な伝統文化をアカデミーの卒業生が支えてくれているのは嬉しいことです。
本は200ページを超えるフルカラーで、私がこれまで見た長良川鵜飼のどの資料よりも豪華です。DVDも付属しており、そちらにも鬼頭さんたちが登場しているとのこと。ご覧になりたい方は森林文化アカデミーにも1部いただいていますので、お問い合わせください。ちなみにこのDVDは英語版をいま製作中で、英訳を私とアメリカ人舟大工のダグラス・ブルックスさんが担当しています。
久津輪 雅(木工・教授)