5月10日(金) 施業プランナー育成研修を開講
施業プランナー育成研修は、森林所有者に対する森林施業を提案し、森林経営に沿った提案型集約化施業に取組む中心的な人材を育成するための研修です。岐阜県では、平成20年度から156名の施業プランナーを養成してきており、森林経営プランナーとして登録してきています。
令和元年度は、13名の研修生によって研修を展開することになり、5月10日に第1回育成研修を開講しました。育成研修は、令和2年2月20日(木)までに12回開催することにしています。
第1回育成研修は、10時から開講式、研修の概要説明、受講生の紹介に続いて講義を行いました。
(1)新たな森林管理システムと施業プランナーの役割
恵みの森推進課 饗場技術課長補佐兼係長
岐阜県では利用可能な資源が増加している一方で、林業従事者数が減少し続けているという現状を説明していただきました。岐阜県では、森林整備面積の拡大、素材生産量の増加を図るためには、人材数を増やすこと、スキルを高めることが必要ということで、就業促進のためのPR活動、人材育成のための研修活動を積極的に行っているとのことでした。
岐阜県として林業の振興のために育成する5つの人材カテゴリー「森林総合監理士」「地域森林管理士」「施業プランナー」「フォレストワーカー等」「森林作業道作設オペレーター」を設定しており、これらの人材が連携しあっていくことを想定しているとのことでした。本研修では、「施業プランナー」の育成を目指すという位置づけになっています。
(2)プランナー業務の実際〜活動事例、関連業務等紹介〜
揖斐郡森林組合 業務一課 後藤 秀人(森林経営プランナー)
揖斐郡出身で、他業界、他県で働いたのち、揖斐郡森林組合に入社してプランナーとして活躍しておられる後藤さんに、プランナー業務の実情を紹介してもらいました。
集約化や日々の現場作業の進捗管理をするだけでなく、プランナーとして自ら考えた組織改善活動をしておられました。特に「情報・業務の見える化」を心がけることで、データを整備し、職員内で情報を共有しながら、進捗管理をしているとのことでした。他業界での経験が林業分野で働くことに役に立っているということでした。後藤さんからは、「林業界にもビジネススキル」が必要というメッセージをいただきました。
(3)森林情報の収集手法〜森林簿、県統合型GIS等〜
林政課 森林計画係 松下技術主査、浅野技術主査
林地の集約化を行い、補助事業の活用を図るための基本となる森林経営計画を策定するために必要となる森林情報台帳(森林簿)、林地台帳についてどういう情報の集合体なのか、どのような手続きで借りることができるのかを学びました。また、インターネット上から使える「県統合型GIS」の使い方を学び、探しだしたい森林(ちょっと複雑な条件)を抽出する演習を行いました。データの活用に関して、すべてのデータを見ることできるわけがないこと、またデータの内容がすべて正しいわけでないことに留意する必要があることが分かりました。