廃線でGo!!!(山村資源利用演習 第3回目・その4)
<2022.11.7-8>エンジニア科2年・林産業コースの選択科目「山村資源利用演習」の第3回目、レポートの続きです。
2日目、神岡町・山之村の「わらび粉職人」前原融さんにお礼を告げ、午後から同じ飛騨市の「レールマウンテンバイク ガッタンゴー!!!」に向かいました。
「レールマウンテンバイク ガッタンゴー!!!」は、廃線となった旧・神岡鉄道のレールを利用し、人力の自転車2台を連結した「軌道自転車」です。2つあるコースのうち、距離が長く、上りもある「渓谷コース」を体験しました。
人力で進みながら、廃線となった線路でしか見ることのできない、渓谷や森の姿を楽しめるアクティビティです。
コロナ禍の影響を受けながらも、2021年は約4万7千人の集客があったそうです。
紅葉の森の中で「ガッタンゴー!!!」を満喫した後は、この事業を運営するNPO法人 神岡・町づくりネットワークの理事長、鈴木進悟さんにお話を伺いました。
鉱山のまちとして栄えた神岡町は、その輸送手段としての神岡鉄道と共に発展しました。
しかし鉱山事業が徐々に衰退し、資源の輸送手段も鉄道からトラックへと変わるなか、上岡鉄道の廃線が決定します。
廃線後も、なんとか鉄道を残せないかと鈴木さんはじめ、まちの人々が努力されました。その中で、人力の自転車をつかった「軌道自転車」のアイデアが生まれ、様々な活動の結果、観光鉄道として存続をさせています。
凄いと感じたのが、まちづくりのためのNPO活動とはいえ、行政の補助は一切なく、すべて自立的にやっていることでした。またガッタンゴーの車両は地元の方が製作しているなど、事業の経営や運営のあり方も、学ぶべき点がたくさんあります。
「鉱山の町だから、<つくる・直す>という技術を持った人がいる。様々な技術を持った人が働いているし、新しい雇用も生まれた。地域の経済効果も13億円になっている。まちぐるみで新しい観光産業をつくってきた」と語る鈴木さん。
既存の地域資源を活かす手法として、「ガッタンゴー!!!」は全国から注目されています。でも鈴木さんは
「自分たちが遊びたいからやっている。まず自分たちが楽しまないと」
と、事業やまちづくりの真髄を語ってくださいました。一方で、事業は順調だがまちに若い人がいないことが課題だ、とも。
参加した学生の一人からは「若い人が減り、廃線してしまった鉄路を利用してまちおこしとして活用している。自分の課題意識をもっている、伝統工芸の後継者育成とも通じることがあり、印象的だった」というコメントがありました。
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こうして2日間の高山・飛騨での授業は終了しました。そして5月からスタートした全4回のこの科目も修了となりました。
2年間、アカデミーで学んだ若者が社会人になり、いつか山村に住んだり、その地域資源を活かして事業を担うこともあるでしょう。その時、この授業で出会った山村で生きる人々のことを思い出してくれるのでは、と願っています。
現地で実践的な学びをご提供いただいたみなさま、本当にありがとうございました。
准教授 小林謙一(こばけん)