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2022年06月22日(水)

「つなぐ人」の視点を得る(ファシリテーション実習 第1回目)

<2022.6.22> 森林文化アカデミーの卒業にあたり、課題研究として発表(2011年)したのは、地域づくりにおける異質の立場の人と人を「つなぐ人」の必要性でした。「つなぐ人」に必要な、アカデミーで学んだ3つのコミュニケーション技法・・・「インタープリテーション」「ファシリテーション」「カウンセリング」の視点は以降、私にとって日々取り組むものとなりました。

アカデミー在学中の課題研究発表スライド(2011年発表)より

特に「ファシリテーション」は、ワークショップや会議だけではなく、そのアプローチは友人や家族間のコミュニケーションにもとても有効です。

しかしファシリテーションは実践を通さないとなかなか理解できません。それもかなり本気な実践である方が、より効果的です。ということで今年担当する「ファシリテーション実習」にはリアルな現場が必要となり、授業開始にあたり郡上市で地域づくりに取り組むみなさんに協力をお願いさせていただきました。

「Gujo Society 5.1」は「郡上でこそ実現可能な地域のスマートモデルを構想し、市に提言する」ことを目的とした、市民有志の集まりです。令和3年度から活動を開始され、みなさん手弁当で毎月のように集まり、熱い議論を繰り返されているそうです。みなさんにご相談し、授業第3回目(7/6)に、学生と一緒にワークショップを開催させていただけることになりました。

ということで、今年の「ファシリテーション実習」のゴールは、
「Gujo Society 5.1のワークショップで、ファシリテーションをする」
となりました。
今年の履修生は1年生16名、2年生5名、計21名。最初にゴール目標を伝え、授業のスタートです。

 


 

「ファシリテーション実習」で使うテキストは、私がアカデミーで学んだときと同じ「ファシリテーション革命 参加型の場づくりの技法」(中野民夫/2003/岩波アクティブ新書)です。あらためて見直しても、ファシリテーターの実際や悩みも含め、とてもよく書かれていて、この本を習得すれば、みなさんファシリテーションになれます。

しかし実際のファシリテーションの現場は、人と人とが集まる生きた場所。教科書どおりにはなかなかいきません。実践まで2回、4コマ(3時間×2回)しかない授業で、最速でファシリテーションのA to Zを体験してもらいます。

第1回目はワークショップデザインの王道、「アイスブレイク」「ワールドカフェ」を実施。その中で、「ファシリテーターの役割の理解」と、さらに「人が集まる場が創造的にするには何が必要か」をディスカッションしてもらいました。

アイスブレイク1(ラインナップ)

アイスブレイク2(自己紹介→他己紹介→他己他己紹介)

アイスブレイク3(フォースドチョイス)

ワールドカフェ

最後は、「Gujo Society5.1」のメンバーの方とオンラインでつなぎ、活動の目的や内容、そして現状と悩みについて伺いました。当事者の方のお話を直接聞くことで、学生もこれから起きることに少し緊張感をもったようでした。

 

第1回目はここまで・・・ですが、ファシリテーターの一番のしごとであるワークショップ・デザインはさすがに授業内では時間が足りずできません。そこで企画からやってみたい有志を募ったところ、4名が名乗り出てくれました。

やる気あるアカデミー生のみなさん、本番までのプロセスがファシリテーションにおける一番の学びの場です。ぜひ楽しんでください!(第2回目に続く)

准教授 小林謙一(こばけん)