林産業コース生がポスター発表 @ 第10回岐阜県域農林業教育システム研究発表交流会
1月21日に岐阜大学で開催の「第10回岐阜県域農林業教育システム研究発表交流会」で、エンジニア科2年・林産業コース生の3名がポスター発表を行いました。
同会は県内の農林関係の高校・専門学校・大学校が集まり、それぞれの学生が研究成果を発表・交流できる貴重な機会です。
発表内容に応じた6分野に分かれ、分野ごとにポスターを順に移動しつつ、各発表者が持ち時間10分(発表3分+質疑応答7分)で発表を行う形で進行しました。
開会式の様子。班, グループでの発表が多数です。
アカデミーから今回参加したのは、エンジニア科2年・林産業コースの3名です。
授業「木材利用総合演習」で4月から11月まで長きにわたり研究・発表した内容をまとめなおして臨みました。
3分という発表時間にあわせ、それぞれ発表練習を重ねてきました。
山下さんから、『違う場所で拾った流木で同じテーマの作品をつくったらどのような違いがでるのか』の発表です。
長良川の上流~下流域の河原でそれぞれ集めた流木を使って渡り鳥のツバメをかたどり、特徴と印象の比較や流木アートの可能性の検討を行った研究です。
長良川流域を自ら描いたイラストを中心に大きく配置したデザイン性の高いポスターで、ひときわ参加者の目を引いていました。
「流木をどのように定義するか?」など審査員・岐阜大学の先生方やほかの参加者の方々からは鋭い質問もありましたが、うまく自分の言葉で応えられていました。
久野さんから、『シェアハウスプチ改修大作戦』の発表です。
築100年ほどのシェアハウス(美濃市・うだつの町並みのなか)をより住みよくするべく、自らプランニングと改修を実践した意欲作です。
自らウッドデッキの設計を行い、材料を調達し、部材の強度を測って構造計算を行い、安全性の検証のもと施工を完了した結果をまとめています。
ポスターに添えられた、味のあるイラストも参加者に好評でした。
材料の調達の話からアカデミーでの林産業コースの学びに関してまで、質疑応答は幅広く盛り上がっていました。
萩野さんから、『鹿皮ドラムで伝えるシカの現状』の発表です。
森林獣害への対策の課題として、駆除されたシカの「利用」方法が限られているという問題があります。
肉については鉄分の多いヘルシーさやジビエ料理などが注目されることもありますが、皮については用途の模索がまだ続いています。
萩野さんは、そんな鹿皮をアイヌや世界の楽器の例から太鼓の「面」(叩くところ)に使えないか、という発想に、鹿皮と同じく量の多さと処分方法が問題になっている竹の利用を考えて「鹿皮ドラム」を着想しました。
11月の翔楓祭では「鹿皮ドラム」を自分で作る体験を通して森林獣害や未利用資源の問題を考えて欲しいということで、子供たちにも分かるよう作り方や教え方を工夫した製作ワークショップを開いています。
今回の発表会では、シカにまつわる森林獣害の問題についてワークショップの体験をふまえつつ発表を行っていました。
現物を手に取って貰いながらの説明には、「こんなに皮をピンと張れるんだ」と驚きの声も。
材料の準備についても質問がありました。原皮(はがしたままの皮)からの皮なめしの作業は、新津先生から手ほどきを頂いて萩野さんが自ら行ったものです。
全員の発表を通して、アカデミーでの学びと体験の幅広さについて会場ではお褒めの声を頂きました。
発表後も質問で盛り上がりました。
発表に参加した皆さん、本当にお疲れさまでした!
最後になりますが、発表会の運営はじめ司会審査を行ってくださった岐阜大学の教職員とTAのみなさま、ならびに意義ある研究成果の共有のみならず、発表に関してご質問やご意見を下さった参加校のみなさまに、深くお礼申し上げます。
助教 上田麟太郎