2022年度第1回「森林文化」 〜森と癒やし〜
昨日7/7、授業「森林文化」が行われました。森林文化の授業は、クリエーター科4専攻がそれぞれ第一線で「森林文化」に関わる活動をされている講師をお呼びして、お話を伺っています。2022年度第一回となる今回は、森林の多面的利用の一つである森林セラピーと森林資源活用について、森林セラピストで元環境省中部山岳国立公園管理事務所国立公園利用企画官の甲斐原さなえさんに授業をしていただきました。
授業ではまず「森林セラピーとは何か」についてお話をいただき、その実践の一つとしてアロマテラピーを応用したプログラムを体験させていただきました。学生はまず班ごとに用意されたムエットに調合された香りを嗅いでからその感想を記録、その後野外に生育する樹木で似た匂いのするものを探しに屋外へ。こんなとき森の中にキャンパスのある森林文化アカデミーはつくづく恵まれた学校だと実感します。学生は香りに関する感想や、生の樹木から感じられる匂いとの違い、同じ匂いを嗅いでも感じ方に個人差があること、などを互いに共有していました。ちなみに私の嗅いだのは「ティートリー」「クロモジ」「アスナロ木部」の3つのブレンドで、頭がすっきりするような印象の匂いでした。
最後に中部山岳国立公園の紹介と、そこで行われている様々な森林の利用例についてお話がありました。森林セラピーはもちろん、ウェルネスツーリズムやアドベンチャーツーリズムなど目的の異なる多様な活動がなされていることがわかりました。お話を伺って、ただ訪れる人を増やすだけでなく、どう人を呼んで森林を利活用していくのかが、地域活性の観点からは重要であると感じました。
学生からは、「外国人観光客が中部山岳国立公園を訪れる理由は?」「森林セラピー基地は標高が高くて涼しいところに多いようだが、夏暑いところでも森林セラピーは実践可能か?」など多くの質問がありました。
今回の授業は森林の多面的利用について改めて考えるきっかけになると共に、森林環境教育専攻として、森林資源を利用して地域をどのように盛り上げていくのか、という難しい課題をもらったように思いました。
森林環境教育専攻教員 柳沢 直