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2020年06月06日(土)

2020年度 自力建設始動! 「森のシェアオフィス」

6月5日、今年度の自力建設の課題発表を行いました。

今年度のテーマは、「森のシェアオフィス」

Covid-19の影響で社会的に一気にテレワーク化が進み、実践重視のアカデミーでさえ5月はWeb授業を中心に組み立てていました。森のシェアオフィスは 学習環境が大きく変容した現在にふさわしいテーマではないかと思います。

このテーマはこの3月に卒業した木造建築専攻2年生が「小規模建築物の計画3」の授業で学生が設定したものです。今年の1月の時点で、このテーマに決めていたのはさすがですね。

この授業では、アンケートの意義や作り方、インタビューの仕方など、主に調査のデザインを学ぶ授業で、授業課題として次年度の自力建設のテーマを設定するものです。

Webアンケートを用いて、全校生、教職員の方に意見を募集し、10件を超える自力建設に関するテーマ案が出てきました。さらに主要な方にはインタビューも繰り返し課題を設定し、課題シートを作成しました。
先輩から後輩への課題のプレゼントです。

この「森のシェアオフィス」は、2008年度の自力建設「ほたるの川床(かわゆか)」を増改築するというものです。学生の複数の方から利活用の要望が出ていたものです。

対象となる竣工当時の「ほたるの川床」です。

林業や環境教育が拠点とするフォレスト・ラボの対岸にあり、アカデミー校内を流れる小川に迫り出すように建っています。
川に迫り出すために、鉄筋コンクリート造(RC造)の基礎から鉄骨(S造)の片持ち張りを跳ね出し、木造の小屋を上部つくるという特徴的な混構造の建物です。

当時の利用想定は、学生会室。ですが、アプローチの不便さや室内の家具配置などから、十分に活用しきれていませんでした。

10年以上が経過し、特にデッキが腐朽して危険性があることを受けて、2018年度には、エンジニア科とクリエーター科の合同授業「メンテナンス実習」でデッキを修繕しています。
その時の様子はこちらのブログから。

さて、この小川のせせらぎ音が心地いい魅力的な「ほたるの川床」をどのように改修・増築するかが、今年の木造建築専攻1年生に与えられた課題です。

随時このブログでも進捗を報告していきますのでお楽しみに。

准教授 辻充孝

2020年度 自力建設課題-----------------

第20期 自力建設プロジェクト「森のシェアオフィス」

学生の学びの過程では個人でじっくりと考え、ゴールに向けて悩み抜くことが必要である。一方で、仲間が集まり、互いに意見を出し合い、他者の意見を吸収しつつ、自らの解を導き出すことも大切である。現在、学内において、学生が個人で集中できる場所や、学年や専攻を超えて自由に交流ができる場所は少ない。

そのため、学生が集まり、ランチや会議ができるスペースとして「ほたるの川床(かわゆか)」が2008年度に建築された。しかし、現在は周囲の樹木の生長と共に森の中にうずもれてしまっており、デッキ部の腐食によりアプローチしにくいなどの理由から、使われなくなっている。

そこで今年度の自力建設のテーマは、現存する「ほたるの川床」を利用した「森のシェアオフィス」への改修および増築計画とする。

建設当時の狙いであった「学年や専攻を越えて交流の出来るスペース」の再興をはかりつつ、現存する「ほたるの川床」を学生のためのより良い空間にする計画を希望する。また、学生のニーズに合わせた設備の導入、その管理についても言及されたい。必要な機能や仕様、空間を満たしつつ、各自提案をまとめてほしい。

 

◆必要機能

・個人で集中できるスペース
・グループで議論、交流できるスペース
・適切なアプローチ

 

◆改修・増築対象の自力建設
ほたるの川床

◆想定施主
副学長

◆想定利用者
学生

◆予算
150万円(予定)以内

◆敷地
2008年度自力建設「ほたるの川床」建設地周辺

◆規模
増築面積(おおよそ柱で囲まれた面積):10㎡以内

◆注意事項
※施設利用者(教職員、学生、外部利用者)管理者(特に事務局総務課)の意見を十分に聞いた上で計画を行うこと。
※建築基準法等の関連法令を遵守すること。
※最低限の安全性確保のため、建築関連法令に合致した計画であること。
※専門科目時間外については、「プロジェクト」にて単位を認定。(日報等で時間数を管理)
※作業を行った際は工事日報を付け、保管する。竣工時に取りまとめ報告すること。
※工事期間中の活動に支障がないように調整すること。

◆木材
計画にあたって事前に準備している木材を用いること。
※乾燥中の木材も含めて用意された木材の詳細については吉野まで確認