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2019年10月20日(日)

リスとネズミによる『森の思い出づくり』

みなさん、JIRIです。森林文化アカデミーのオープンカレッジで、一般募集の親子をお迎えして、「森みつけ、森遊び、森の思い出づくり」をしてもらいました。

「ほんの少し行動が違うとか、意見が違うとか、一緒に活動しづらいから」とかで『NPO法人 心をつなぐホースセラピーぐりん・はあと』で活動する仲間たちをお迎えして、森に出かけました。

森で見つけた大きな「松ぼっくり」のエビフライ、全員が1~3つ見つけてきましたが、さて、ここでリスとネズミから質問です。

このエビフライはリスの食べ痕ですか、ネズミの食べ痕ですか」と聞きました。動物によって食べ方に特徴がですのです。

マツの森を抜けると、次はヒノキの森、スギの森、と次々に変わる森林の中を歩いて、宝物探しです。

松ぼっくりでなく、ヒノキやスギの「ぼっくり」はどうかな?

ヒノキはサッカーボールのような模様があってツルツルしていて、スギのはトゲトゲしている。

途中で、女の子がJIRIさん、これなんですか?」と聞く、」手のひらを見て、「凄い珍しいもの見つけたね。みんな見て見て」と声をかけると15人ほどが輪になって、手の中の「ツガのぼっくりだよ」と覗き込む。

ツガは「木」偏に「母」と書く『栂』なんだ。今日歩くコースには、わずか1本しか無い木と伝えると、全員が一生懸命にツガぼっくりを拾っていました。

演習林の管理人さんが手入れしてくれている「水場」ではみな、冷たい渓流の恵みを感じ、続いて「山の神」に入山に報告をして、自力建設の「四寸傘」を目指しました。

「四寸傘」では建物を見学し、ナバさんの作ってくれている風倒木は大人気。

やはりドイツで見てきたように、子どもたちはこういう自然なものに敏感なのだ。

四寸傘からは、急坂を降りてくる。

子どもたちは、両手を広げて「ティー、ティー、ティッティッティティー」と叫んでバランスを取りながら走ってくる。

山から戻ってお昼ご飯を食べてから

最初に、「山では宝物を見つけられましたか?」と聞くと同時に、クリの毬(いが)の形について質問しました。

「クリの毬のトゲの生え方はA・B・Cのどれでしょう?」と聞きました。クリの毬なんて、大人なら何度も見ているもの、子どもたちも何度も見ています。しかし、見ているようで、実はしっかり見ていない。見えていない。

「多分、お子さんのことも、親子関係も、お母さん・お父さんのことも同じかも」

と問いかけました。

では続いて、『NPO法人 心をつなぐホースセラピーぐりん・はあと』の近藤聡さんが持参して下さった様々な形の木片やビーズ類、ノコギリや金づち、グルーガンなどで「思い出づくり」です。材料が多くて、みな次々に目移りします。

女の子が、おうちで使うイスを丸太と板で作成していました。

失礼ながら、下手な大人よりも上手に釘を打っていました。釘打ちは勢いよく、数回で打ち込まないと釘が曲がること、この女の子は理解していました。

男の子は、具体的に建物模型を想定して、複雑な組み合わせを検討していました。

材料を見て、完成した状態を予測するだけでも嬉しくなるようで、生き生きと大作に取り組んでいました。

作成途中で行き詰まると、親子で相談しながら、次につながるアイディアを出していました。この自然な親子関係ができることがいいですねぇ~!

左側の女の子は、丸太の上に可愛いログハウスを完成させていました。

ドアもしっかりあるんですよ。しかも庭には花まで植えてある。なかなかの完成度でえした。

お母さん同士も自分が作りたいものを作りながら、普段の悩みを共有します。

こういう自由で、重要な時間を過ごせる場が必要なのです。

このお母さんは、自宅で利用する「鍋敷き」を完成させていました。

お子さん以上に大人が楽しむこと。そうした時間ができて良かったです。

この男の子は、ルームプレートが完成したので、お父さんと一緒に「腰蓑」づくり。演習林で採取してきたウラジロを利用して作っていました。

即興で「木片の積み上げ大会」、2人1組で互いに1つの部材を積んで、バランスが崩れて倒した方が負け。

自然なものの積み上げの方が面白いようです。

さて、全員の作品が完成したので、みんなでお掃除タイム。

お掃除と聞くと面倒くさいよな気がしますが、取り組み方によっては、結構面白くお掃除できるのです。

 

お掃除が終わってから、全員が作品発表です。お子さんたちは当然ですが、大人も全員が作品発表しました。予想以上に大作が多く、みな感心していました。

そして最後に、今回の活動の反省と感想をしっかり書き示して、最後にJIRIから次回の案内をしたのです。

今回お招きした『NPO法人 心をつなぐホースセラピーぐりん・はあと』は、健康な人や心身に障がいを持った人など、幼児から高齢者まですべての人に対して、豊かな環境の中で馬を活用したホースセラピーをはじめ、生き物や自然や農業に関わる活動により、心身ともに充実し生き甲斐をもって生活できるような支援に関する事業を行い、青少年の健全育成をはじめ、人と人との交流及び地域社会の発展に寄与することを目的とする団体です。

さて、最後にリスとネズミから

森林総合教育センターは、「すべての人に」を合言葉に掲げていますが、まだまだそれには達しておりません。今後もすべての人に少しでも自然の素晴らしさ、森林の良さ、木材の良さを知って頂ける活動につなげたいを考えています。

以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。