2019 ドイツ森林環境教育 視察報告その2 「森のストーリーテリング(素話)」
前回ご紹介したドイツの森林環境教育施設ハウス・デス・バルデス(Haus des Waldes)の週末プログラム「焚き火モーニング」の隣では、「森のストーリーテリング(素話)祭」が開催されていました。
この企画もフリーランサーであり、森林教育指導者の1人として指導者育成コースで講師もしているメンバーによるもの。毎時間、6箇所の森や広場でストーリーテリングが展開されていて、訪れた人は毎時間いろんな環境の中で森をテーマにしたおとぎ話やお話に耳を傾けていました。中にはお話だけでなく、歌や手遊び、パペットも登場していました。
近年、子どもたちはゲームやテレビ、ネットやYouTubeなどデジタルの世界を楽むことは多いものの、生の人間が話すお話を聴いて楽しんだり、お話の世界を想像したりする機会はほとんどないでしょう。そうした「失われたもの」「大切にしたいもの」をもう一度森の中から、あるいは森を舞台に紹介していくというこの企画もまた、是非とも真似したいなぁと思いました。
さらに毎時間お話とお話の間には20分程度の休憩時間があり、手作りのケーキやコーヒーをお手頃価格で買えるブースもあり、お話を聞いたり、おしゃべりしたり、笑ったりしながら、森で一日中のんびりと週末を過ごす人々の姿が、これからの日本がみんなで目指すべき姿なのかもしれないなぁなんて思った1日でした。もちろん新しくできる森林総合教育センター「morinos」もそうした空間になればと思っています。
なんちゃって先生 萩原ナバ裕作