7/27〜29弁当箱販売!『長良川(ながら)んちぼっくす』ができるまで③
私たち森林文化アカデミー木工専攻の学生は商品化1の授業として、木のお弁当箱の製作をします。
お題は長良川流域にゆかりのある商品を作ることです。無垢の木で作る温かみのあるお弁当箱です。一年間学んできた技術と知識でデザインから製作方法まで自分たちで考えます。私はデザインと作り方を5回ほどブラッシュアップ。その後いよいよ試作開始です。
私はお弁当箱に長良川の流れを取り入れたいと思いました。川の流れをイメージして作っています。川の穏やかな流れ、激しい流れ、あるいは蛇行する川そのもの。そんな川を想像し作っています。
先日、長良川を上流に向かい、車を走らせていると山の端が緩やかに波打っていました。森と川、川と海が繋がっているように、何か自然の形に共通性を感じずにはいられませんでした。
私はお弁当箱のフタと本体を別々に作る方法ではなく、お弁当箱を箱の形に作り、そのあと二つにカットする方法でフタと本体を切り離します。それには冶具という道具が必要になりますが、なかなかうまくできず何度も冶具を作り直しました。試作も同じく、一度や二度では成功させてもらえません。試作をして、調整し、また試作をします。他の人たちと同じく何度も試作を繰り返し作り、やっと本製作に入ります。
私の選んだ材は、木のやわらかさや木のぬくもりを感じてほしいと思い、岐阜の山に多く植林されている杉の木で作ることにしました。強度と汚れ防止のためにお弁当箱には安全な塗装を施します。材料のスギは、柾目のきれいな杉の板が手に入りました。
材料に恥ずかしくないものを作らなくてはと意気込みますが、うまくできるか大変心配です。
形の完成で8割くらいもうできたと思ったのは甘い勘違いで、山場はそこからでした。塗装をして、乾燥、サンディング。塗装して、乾燥し、サンディング。地道な作業です。これに手間と時間が加工や組み立ての何倍もかかりました。一つ一つ丁寧に手作業で仕上げていきます。今度は仕上の塗装をして完成です。もうひと頑張りです。
仕上げの塗装を終え、“長良川てしごと町家CASA”にて皆様とお目にかかるのを楽しみにしています。
長屋紀子(クリエーター科2年)
「長良川(ながら)んちぼっくす」展
2018年7月27日(金)〜29日(日)
11:00〜18:00
長良川てしごと町家CASA
500-8009 岐阜県岐阜市湊町29