2018グリーンウッドワーク指導者養成講座、終了しました!
年間を通じて6回にわたって実施してきた「グリーンウッドワーク指導者養成講座」、最終回の椅子づくりが終了しました。
前回までの5回はこちらです。
①グリーンウッドワークの基本(小物を作る〜ナイフワークと研ぎ)
②スプーンを作る
③刃物を研ぐ
④器を作る
⑤森を見る・材料を選ぶ
椅子はこれまで学んできた多くの要素を含む、グリーンウッドワークの集大成。丸太を割るところから始め、斧ではつり、削り馬にまたがって銑(ドローナイフ)で削り、手回しのドリルで穴を開け、組み立てます。座面はイグサの縄や紙紐(ペーパーコード)で編みました。
参加者のみなさんには1月の週末と2月の週末の2回通っていただき、前半で部材を仕上げ、接合部分を乾燥させておいて、後半で組み立てました。
第1回のブログにも書きましたが、今回の講座には日本全国から森や木に関わるさまざまな業種の方々が参加してくれました。6回の講座を終えたみなさんの感想を一言ずつご紹介します。
私立学校の木工講師
自分が教えている学校のフィールドにヒノキ・スギがあり、使っていく必要があるので、今回ヒノキのゴッホの椅子が何とか形になって見せられるのは嬉しい。今年はさっそく中学2年生の男子30人にスプーンづくりを教える予定。
地方自治体の林業担当職員
他では学べないことを教えていただいた。グリーンウッドワークはすぐにでも仕事に使えるので、どうやってプログラムを作っていこうかと考えている。みなさんと情報交換しながら取り入れていきたい。
木工作家
嬉しくて。ものづくりを始めて25年になるが、独学だったので初めて体系立てて学ぶことができた。東京から岡山に移り住んで、作家はどういう役割が果たせるかと思っていたところにこういう機会があった。これから地域で探っていこうと思っている。
建築家
こんなに楽しい講座は生まれて初めてだった。木の魅力を伝えたいという素朴な思いがあって木の家を作っているが、グリーンウッドワークに参加して、建築とは違う、自分の手の中で木を加工して形ができていく、生々しい木の魅力を改めて感じることができた。子どもたちに伝えると、その先の人生が楽しくなると思う。
建具職人
ふだん建具屋では接することのできない方々とお話できて、それが有益な時間だった。ものづくりの面白さを感じることができた。
建築系専門学校教員
学生たちに技術や素材だけではなく、その先の自然や環境についても伝えたいと思い、グリーンウッドワークに可能性を感じて受講した。6回受講して、その可能性を実感している。学生たちに伝えていきたい。
美術教育者
木工や建築など木に関わることを専門とするみなさんとアプローチは違うかもしれないが、自分のできる形で、次の世代の子どもたちに作る喜びを伝えていきたい。これから参加者のみなさんたちとつながっていきたい。
造園業経営
1人だけスツールを選択したが、ゴッホの椅子の人とペアで作業させてもらえて勉強になった。グリーンウッドワークはもっと深めたいと思う。この1年学ばせてもらったことをライトな部分でしかできないが、今後の活動に取り入れていきたい。
木工家
今まではインダストリアルデザインなど、工芸と工業をやってきた。それを子どもたちに伝えるのは難しいと思っているところに、グリーンウッドワークとの出会いがあった。木工の楽しさを伝えやすいのは思ったとおりだった。これからも普段の仕事と同時並行で、グリーンウッドワークを通して木工の楽しさを伝えていきたい。
家具製造会社勤務
次がないのが残念なくらい。なんでここまでグリーンウッドワークに惹かれるのか、うまく表現できないが、講座に来て木に関わるみなさんとお会いして、みんないい雰囲気を持っている。グリーンウッドワークの魅力に惹かれる人はそういうものを持っていると感じた。まだ修練が必要だが、福岡に戻ってグリーンウッドワークをやっていきたい。
みなさんありがとうございました!各地でのご活躍に期待しています。
グリーンウッドワーク指導者養成講座は隔年開催ですので、次回の開催は2020年度になります。
2019年は、「さじフェス」などのたくさんの方に参加していただくイベントや、過去の修了生を対象とする「グリーンウッドワーク指導者・ステップアップ講座」などを企画しています。
グリーンウッドワークを受講してみたい!という方は、NPO法人グリーンウッドワーク協会(岐阜県)や、クラフトハウス(福島県)などにもご相談ください。
また、グリーンウッドワークの記事を雑誌『ドゥーパ』で連載していますので、ぜひご覧になってください。
久津輪 雅(森林文化アカデミー・木工准教授)
加藤慎輔(グリーンウッドワーク研究所・大同大学プロダクトデザイン専攻技術員)